HOME8.温暖化・気候変動 |週末のニューヨークは「水浸し」。一部で日量200mm超の記録的豪雨で、各地で洪水や道路冠水。7月にも豪雨・洪水。気候変動の激化で都市インフラの適応策、追い付かず(RIEF) |

週末のニューヨークは「水浸し」。一部で日量200mm超の記録的豪雨で、各地で洪水や道路冠水。7月にも豪雨・洪水。気候変動の激化で都市インフラの適応策、追い付かず(RIEF)

2023-09-30 23:42:43

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写真は、CNNニュースから)

 

  米ニューヨーク市とその周辺地域は29日、一日の降雨量が一部地域で最大9.06インチ(約230mm)に達する豪雨に見舞われた。このため、同市内の地下鉄や、住宅の地下部屋等が浸水・洪水に見舞われた。主要な道路も冠水し、多くの通勤客や住民が被害に遭った。ニューヨーク州のホークル知事と同市のアダムス市長はいずれも緊急事態宣言を発令した。雨は30日になって一段落した。豪雨の原因は、熱帯低気圧になって大西洋に抜けた「オフィーリア」と、気候変動による高温継続の影響で気候の変わり易さが増大、降雨量を記録的に増大させたとみられている。

 

 29日の降雨量で日量230mの最大降雨量を記録したのは、ロングアイランドのナッソー郡のValley Stream。クィーンズ地区にあるジョンFケネディ國際空港でも、日量8.65インチ (219.7mm)を記録した。同地での降雨量としては1960年のハリケーンDonnaの襲来時に記録した過去最大記録を上回り、9月の降雨としては最大量となった。

 

マンハッタンの各道路も川のよう
マンハッタンの各道路も川のよう

 

 ブルックリンでも7.25インチ(184.1mm)を記録、同地区の一部では一時間当たり2.5インチ(60mm)を記録した。マンハッタンのミッドタウンでも6.09インチ(154mm)、セントラルパークで5.80インチ(147mm)等の降雨量。マンハッタンの各道路も冠水し、水は地下鉄にも流入し、ほとんどの地下鉄線が止まった。大規模な交通マヒや停電が各地で起きた。

 

 市内の一部では道路の冠水が3フィート(約1m)に達するところも出た。地元のニュースでは、レストランの経営者が店に入るのに、泳いで道路を渡ったとの情報も伝えられている。浸水した地下の住居に閉じ込められた住民3人が救助されたほか、洪水で自宅から出れなくなった人が15人救助された。

 

 ニューヨーク等への豪雨予想については、気象当局が一週前の日曜日に警鐘を発していた。豪雨の要因は、夏の高温継続による影響と、熱帯低気圧化した「オフィーリア」の影響が組み合わさったためとみられる。専門家は、気温変動の影響がこうした豪雨を増幅したと指摘している。

自動車もボートのように走行
自動車もボートのように水しぶきを上げて走行

 

  ニューヨークではこの夏の7月上旬にも、同州北部のハドソンバレー地区や近接するバーモント州を中心に、一部で日量8インチ(203mm)の豪雨に見舞われている。その結果、死者も出す洪水が各地で起き、住宅被害も多大に上った。7月の洪水で被害を受けた地区で、今回の豪雨でも被害を受けたところもあるという。

 ニューヨーク一帯が、ひと夏で二度も記録的な豪雨に見舞われるのも異例だ。気象当局は、地球温暖化の加速による記憶的な気温上昇によって増強されたストームが、大気中に過剰な水蒸気をため込む状況が続き、ひと夏の降雨量、降雨回数が増大する気象条件となったとしている。ただ、今回の豪雨の場合、海洋の温度は通常よりも低く、大気中の気温も、一時よりは下がっていた。にもかかわらず、連続豪雨となったのは、気候変動による気候の変動性が高まり、恒常化しつつあるためとの見方も出ている。

 ニューヨーク市のチーフ・気候オフィサー(CCO)のRohit Aggarwala氏は「結局、この変わり易い気候パターンは気候変動の進展によるものだ。われわれの気候が直面している悲しい現実は、われわれのインフラが対応できるよりも早いスピードで、気候が変化しているということだ」と指摘、気候対策の強化と迅速化の必要性を強調している。

  https://www.nbcnews.com/news/us-news/live-blog/new-york-flooding-live-updates-rcna118055

https://forecast.weather.gov/product.php?site=okx&issuedby=OKX&product=PNS