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ブラジルで風力発電がブームに=一部には懐疑的見方も(Reuters)

2011-08-18 18:54:23

reutersbragil
【リオデジャネイロ17日ロイター時事】風の強い沿岸部と旺盛な電力需要を背景に、ブラジルでは風力発電がブームとなっており、投資家はタービン設置計画に群がっている。

17日に政府が行った発電プロジェクト入札では、落札された総電力量の39%までを風力発電プロジェクトが占め、風力発電部門の潜在的力強さが示された。風力プロジェクトのメガワット時当たりの平均価格は99.58レアル(4800円)で、全体の平均102.07レアルを下回ったばかりでなく、天然ガスの103.26レアルも下回った。

 

18日にも入札が行われるが、これには天然ガス発電プロジェクトは含まれていない。

 

今回の入札の結果は、ブラジルの風力発電業界は今後も発電コストを低下させることができ、これによって水力発電に頼る同国の発電源の多様化を促進できることをうかがわせた。

 

ただ、風力発電コストは大規模水力発電に比べると依然としてほぼ倍であり、風力発電は先走りしすぎている、と同発電のブームに懐疑的見方をする人たちもいる。

 

とはいえ、政府系エネルギー研究グループ、EPEを率いるマウリシオ・トルマスキウム氏は「これまでは風力発電は政府など誰かの支援を必要としていたが、今では、風力は十分に強力になり、(水力などの)大手業者を脅かすまでになった」と、その成長ぶりを指摘した。

 

この日の入札で受け入れられたのは、44件の風力発電プロジェクト(計1029メガワット)だった。ブラジルの現在の風力発電能力は1400メガワットで、全体の1%程度にすぎないが、2014年にはシェアは4.2%に拡大すると見られている。また、EPEによれば、電力需要は2010~14年に60%急増すると予想されている。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011081800266