一般社団法人環境金融研究機構 | Research Institute for Environmental Finance: RIEF

［ニューヨーク　２４日　ロイター］ – 米超党派委員会は２４日、米経済が気候変動により巨額の損失を被るとの報告書を公表した。

今後２５年間については、ハリケーンなど沿岸部の暴風雨で年３５０億ドルの物損が発生すると予測。穀物の収穫は１４％減少し、農家が数百億ドルの被害を受けるとしている。また、熱波に伴い電力需要が急増し、電力利用者は最大で年１２０億ドルの負担を強いられるという。

報告書をまとめた超党派委員会には、ブルームバーグ前ニューヨーク市長、ポールソン元財務長官などが参加。「気候変動が米国経済に及ぼす潜在的な影響を論じた史上最も詳細な」分析としている。

報告書によると、沿岸部にある６６０億ドル─１０６０億ドル相当の不動産が今世紀半ばまでに海面下に沈む見通し。

南西部・南東部・北中西部などでは、異常な熱波で建設など野外の仕事ができず、労働生産性が低下するという。

エアコンなどの電力需要も急増する見通しで、今後５─２５年間で最大９５ギガワット分の発電所（平均的な石炭火力発電所・天然ガス発電所で約２００基分）の建設が必要になる可能性が高い。建設費が電力料金に転嫁されるため、電力利用者の負担は今世紀半ばまでに年間８５億─３００億ドル増えるという。

報告書は具体的な政策提言をしておらず、「すべての米国の企業経営者と投資家が気候変動への対応に取り組む時期だ」としている。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPKBN0EZ0F520140624