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仙台市内での関電等による石炭火力発電所計画 “アセス逃れ”で、市民向け説明会一切なし。KIKOや仙台市民らが申し入れ(RIEF)

2015-08-23 22:59:36

electricityキャプチャ

NPO法人「気候ネットワーク(KIKO)」は、東北大学教員や仙台市民らとともに、関西電力と伊藤忠エネクスなどが仙台市内に建設を計画している石炭火力発電所の市民向け事前説明会を開催するよう申し入れを行った。

 

 計画されている石炭火力発電所は、関電エネルギーソリューション、伊藤忠エネクスが出資する特別目的会社「仙台パワーステーション」が建設主体。仙台市内の港付近に11.2万kWの石炭火力を建設する予定という。

 

 同発電所の事業費は約300億円。2017年秋の運転開始を目指す。関電は発電した電力を首都圏を含む東日本の企業や家庭に、伊藤忠エネクスは企業向けに販売する計画だ。関電にとって、首都圏市場参入の拠点として位置づけられている。

 

 しかし、石炭火力の環境アセスメントは、設備容量が11.25万kW以上が対象となっており、仙台のケースはこの基準に抵触しないギリギリの容量に抑えていることがわかる。「アセス逃れ」である。

 

 環境省はこうしたアセス逃れの石炭火力計画が消費地周辺で相次いでいることから、環境影響評価法施行令を改正して、基準の引き下げを検討する方向だ。

 

 しかし、今回の関電らの計画は施行令改正に間に合わない。そこで計画では10月に着工の予定と迫っていることから、KIKOらは早急に市民向けの説明会を開くよう要請した。

 

 「アセス逃れ」で、市民の健康にも、地球環境にも悪影響を及ぼす発電所で電力を発電し、市民や地場産業に売却することは法的に可能でも、企業としての社会的責任(CSR)を逸脱することになる。

 

http://www.kikonet.org/info/press-release/2015-8-20/sendai-power-station