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長野・安曇野 シベリアからのコハクチョウ飛来大幅減、例年の1割程度 暖冬の影響か(中日新聞)

2015-12-31 15:21:50

kohakuchouキャプチャ

越冬のため安曇野市内に飛来しているコハクチョウが、昨シーズンと比べ大幅に減少している。暖冬の影響とみられ、餌やりや、けがの手当てなどの面倒をみているアルプス白鳥の会(同市)のメンバーらが気をもんでいる。

 

 同市には1984年に初飛来が確認され、毎年、同市豊科の犀川白鳥湖と、同市明科中川手の御宝田遊水池で10月から5月ごろにかけて越冬する。

 

 アルプス白鳥の会事務局を担当し、県鳥獣野生生物自然環境保全調査研究員でもある会田仁さん(66)の調査によると、今シーズンも例年並みの10月中旬に初飛来が確認された。

 

 しかし、飛来数はその後は伸びず、今月28日現在は70羽で、昨年末(537羽)の1割強にとどまる。2005年以降の毎年末の状況をみると、同年には1000羽を超え、その後は年によって増減がみられるが、今シーズンは際だって少なくなっている。

 

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 会田さんによると、越冬地として知られる山形県や新潟県に例年のような積雪がなく、コハクチョウは田んぼの落ち穂などを食べることができる状況で、南下が遅れている。

 

 日本白鳥の会(北海道)の調査では、今シーズンにシベリアから日本に渡ったコハクチョウ数は例年並み。山形、新潟両県に滞在するコハクチョウは例年より増えており、今後、積雪などで餌が採れない環境になれば順次南下し、安曇野へも飛来するとみられている。

 

 会田さんは「地球温暖化も懸念されている。今後も暖冬が続けば長野まで南下しなくなる恐れもあり、しっかり観察していきたい」と話している。(北村希)

http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20151230/CK2015123002000014.html