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国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の元事務局長のフィゲレス氏、国連事務総長選挙レースから「離脱」を宣言(RIEF)

2016-09-14 00:42:59

Figueresキャプチャ

 

 今年末で退任する潘基文国連事務総長の後任候補選挙に立候補していた元国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局長のコスタリカのクリスティアーナ・フィゲレス氏が、選挙から離脱した。

 

 

   今月9日に行われた安全保障理事会での第4回目の投票で、同氏は候補者の中で9位と、最下位に近い順位。5カ国の票しか得られなかった。このため、同氏は12日、「国連への忠誠を維持し、選挙プロセスを促進するため」離脱する旨の書簡を提出した。

 

 フィゲレス氏は、昨年12月の気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で合意したパリ協定の「生みの親」の一人。困難な温暖化対策交渉を忍耐強く取り組み、先進国、途上国双方の信頼を得て、歴史的な合意を仕上げた手腕は高く評価された。7月に、UNFCCCの事務局長の座を退任後、事務総長レースに名乗りをあげていた。

 

 元々は中米コスタリカの出身の外交官で、コスタリカの大統領を3度務めたホセ・フィゲレス・フェレーラ氏の娘として知られる。

 

 9日の投票では、ポルトガルの元首相、アントニオ・グテーレス氏がもっとも多くの票を集め、次いでスロバキアの外務大臣のミロスラウ・ライチャックと、セルビアの元外務相で国連総会議長を務めた経験もあるヴク・イェレミッチ氏が続いている。

 

 フィゲレス氏は離脱したが、事務総長レースには、まだ9人の候補が残っている。そのうち4人は女性。安全保障理事会が選考を経て候補者を12月の総会に勧告するまでには、まだ時間がかかりそうだ。

 

 また事務総長の決定は、安保理の常任理事国間の政治的調整によって一人の候補が選ばれ、総会に諮られるが、通常は、総会はその勧告を承認する形をとるが、今回は途上国などを中心に、人事プロセスの透明化を求める声が出ている。