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大気中のCO2濃度、11日に観測史上最高の415.26ppmを記録。初の415ppm台突破。ハワイのマウナロア観測所で記録。一段と加速する温暖化(RIEF)

2019-05-14 11:12:58

Hawaii1キャプチャ

 

   地球温暖化の主因とされる大気中のCO2濃度が、人類の観測史上最高の415.26ppmを記録、415ppmレベルを突破した。米ハワイ州のマウナロア観測所(Mauna Loa Observatory)で11日朝に観測した。温暖化対策をめぐっては、米国がパリ協定から離脱するなど、各国の足並みが依然、そろわないが、そうした人間活動の結果であるCO2排出量は確実に大気中で増大、気候変動の激化を加速している。

 

 (写真は、ハワイのマウロナロア観測所)

 

 マウロナロア観測所は、1950年代後半から大気中のCO2濃度を継続的に追跡している。11日朝の濃度はこれまでで最高のレベルとなり、同日を通じた1日当たりの観測濃度も415ppmを超えた。

 

 大気中のCO2濃度は、2015年に年間平均で初めて400ppm台に乗せた。17年には、405.5ppmと、年間2~3ppmずつ増加している。2015年に国際的にCO2排出を抑制するパリ協定を締結したが、実際の対策の実施はこれからで、かつ同協定で各国が公約した排出削減対策を実施した場合でも、地球の気温上昇を産業革命前から2℃上昇にとどめるには不十分とされている。

 

Hawaii2キャプチャ

 

 CO2濃度の上昇は世界中でみられるが、観測地点によって濃度に変化がある。また濃度自体、一定ではなく、年々変動する。ここ数年の年間増加量の増大の要因には、人類の経済活動が基本とされるが、それに加えてエルニーニョ現象の影響も指摘される。

 

 太平洋東部でエルニーニョ現象が生じると、熱帯域を中心に高温と少雨が発生し、植物の呼吸や土壌有機物分解作用の強化および植物の光合成活動が抑制される。その結果、陸上生物圏から大気中へのCO2放出が強まるという。

 

 人類の経済活動と、自然の変化が相乗効果となって、大気中のCO2濃度を高め、温暖化現象を加速しているとみられる。

 

 大気中のCO2濃度がこれほど上昇したのは300万年以上前以来とされる。当時の海水位は現在よりも数m高く、南極大陸は部分的に森林に覆われていた。現在の海面上昇はまだ限られているが、太平洋やインド洋等の島嶼部諸国ではすでに影響が顕在化している。

 

 今回のCO2濃度の415ppm超えについて、ドイツのポツダム気候影響研究所のウォルフガング・ルフト(Wolfgang Lucht)氏は「観測結果から、われわれが地球の気候を全く保護できていないことは明らかだ。数値は毎年上昇し続けている」と述べ温暖化の進行に懸念を示している。

 

https://techcrunch.com/2019/05/12/co2-in-the-atmosphere-just-exceeded-415-parts-per-million-for-the-first-time-in-human-history/