HOME |23日の国連気候行動サミット、当初は日本に「議長役」の要請。しかし日本政府は断ったという。パリ協定の国別削減貢献(NDC)見直しを迫られることを嫌って「逃げた」か(?)(各紙) |

23日の国連気候行動サミット、当初は日本に「議長役」の要請。しかし日本政府は断ったという。パリ協定の国別削減貢献(NDC)見直しを迫られることを嫌って「逃げた」か(?)(各紙)

2019-09-20 21:11:59

abe1キャプチャ

 

  各紙の報道によると、米ニューヨークで23日に開く国連気候行動サミットに向けた議論のプロセスで、温室効果ガスの排出削減策を話し合うグループの議長役を日本が依頼されたが、引き受けなかったことが、分かった。

 

 (写真は、6月の「パリ協定に基づく成長戦略」の閣議決定時)

 

 共同通信が配信した。それによると、外務省は「6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)やその準備に集中するためだった」と説明しているという。

 

 ただ、国連気候サミットは、各国がパリ協定で公約した国別削減貢献(NDC)の見直しと、強化が最大の課題であり、日本自身は現行のNDCの目標引き上げに消極的なことから、政府内には「議論を先導するのが難しく、辞退した」との見方があるとしている。

 

 今回の気候サミットは、地球温暖化の進展に強い危機感を抱く国連のグテレス事務総長の呼び掛けで開催される。パリ協定で公約したNDCは5年ごとに見直す規定になっており、来年2020年の見直しを、サミットの場で宣言する国が何カ国に上るかが注目されている。

 

 また、温暖化対策の分野別に9グループに分かれて事前に事務レベルで協議した結果も報告される予定だ。国連は排出削減の強化に関するグループの議長役を日本と、今年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)議長国のチリとに依頼した。3月にはサミットのホームページにいったんは、議長役として日本の名前が掲載されたが、その後削除されたという。

 

 外務省は「依頼に応じるかどうかを検討中に一方的に公表された」と説明しているという。だが報道では、ある政府関係者の話として、G20サミットを理由の一つに挙げつつも「削減目標引き上げを決めた国が参加する中、目標見直しの議論がほとんど進まない日本が話し合いをリードするのは困難だとして辞退した、と聞いた」とのコメントを紹介している。

 

 日本の環境団体からは「世界をリードする役割を担ってほしかったが残念だ」と失望の声が上がっている。6月に閣議決定した政府の「パリ協定に基づく成長戦略」では、「わが国は、同協定の掲げる長期目標の実現に向けて貢献を示していく」と記載している。