HOME8.温暖化・気候変動 |COP25閉幕。グテレス国連事務総長「がっかりした」とツィッターで感想。グレタさんも「科学が無視された」と落胆。小泉環境相は「(日本は)貢献できた」とKYな評価(RIEF) |

COP25閉幕。グテレス国連事務総長「がっかりした」とツィッターで感想。グレタさんも「科学が無視された」と落胆。小泉環境相は「(日本は)貢献できた」とKYな評価(RIEF)

2019-12-16 23:45:18

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  国連のアントニオ・グテレス事務総長は、15日閉幕した国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)について、「会議の結果には、がっかりした」とツィッターでつぶやいた。パリ協定の目標達成の国別削減公約(NDCs)の引き上げで合意できなかったためで、「国際社会は、気候危機に立ち向かうための、回避と、適応、ファイナンスに関する野心を増大させる重要な機会を失った」と述べた。

 

 (写真は、COP25で議長として会見するチリの環境相Carolina Schmidt氏)

 

 ただ、それでも「私たちはあきらめるわけにはいかないし、私もあきらめない」「2020年での合意を以前よりも、より強く決意している。2050年までにカーボン・ニュートラルを達成し、気温上昇を1.5℃以内に抑える必要性を、科学者が示していることに、すべての国々が賛同することを目指す」と述べた。

 

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 COP25では、キャパシティビルディングやジェンダープログラム、技術分野などでの合意・進展はみられた。しかし、人類由来の気候変動によって引き起こされる損失や損害の補填問題や、適応へのファイナンスなど、途上国や気候変動の脆弱地域への対応策では合意に至らなかった。

 

 すでに、会場を離れていたスウェーデンのグレタ・ツゥーンベリさんも閉幕直前にツィッターで、「COP25は崩壊寸前だ。科学は明確なのに、その科学が無視されている。しかし、何が起きても、われわれは決してあきらめないだろう。われわれはまさに始めたばかりなのだから」とつぶやいた。

 

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 環境NGOから二度にわたって「化石賞」を授与された日本政府の代表としてCOP25に参加した小泉進次郎環境相は15日、閉幕会合後に記者団に対して、「日本の気候変動に対する取り組みを発信できた。合意できなかった交渉もあったが、自ら積極的に動き、(議論に)貢献できた」と述べた。

 

 全体の会合が目指したパリ協定の詳細なルールづくりで合意できなかった点については、小泉大臣は「最大限の努力をした」と強調したという。グテレス氏やグレタさんの認識と、微妙に異なるように聞こえる。結果(合意)が伴わなかったのに、「最大限の努力をした」と、なぜ言い張れるのだろうか。

 

 自己満足、自己評価を強調するだけなら、共通の認識と合意のために、身を削り合い、譲歩と妥協を重ねて前進し、着地を目指す国際会議の交渉には、はなから参加しなくてもよかったのかもしれない。「小泉進次郎、まだまだだな」との印象を強めた。グテレス氏風に言えば、「がっかりした」だ。「あきらめるわけにはいかない」が。

https://news.un.org/en/story/2019/12/1053561