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中国・広東省の台山原子力発電所で、放射性ガス濃度上昇。フランス基準の2倍に上昇。原発の運転停止を避けるためガス放出か(各紙)

2021-06-15 18:21:21

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 各紙の報道によると、フランス電力(EDF)グループのフラマトムは14日、同社が建設に携わった中国広東省の台山原子力発電所で、原子炉内の放射性希ガス濃度が上昇し、大気放出したことを明らかにした。

 

 (写真は、台山原発の建設時の状況=AFP通信より)

 

 AFP通信などが報じた。米CNNによると、米政府がフラマトムから「放射性物質による差し迫った脅威」に関する警告を受け、過去1週間、放射能漏れについて状況を検討したと報じた。フラマトムは同原発の一部を所有している。

 

 今月8日、中国当局が原発の運転停止を避けるため、原発周辺の放射線量の許容値を引き上げたとする文書を米エネルギー省に送ったと報じた。

 

 フラマトムの親会社のEDFによると、放射性希ガス等の放出は中国の安全基準に沿って行われたといい、「炉心溶融などの事故は起きていない」としているという。一方、仏メディアは燃料棒の一部が破損している可能性を伝えている。

 

 仏紙フィガロなどによると、汚染濃度は5月末の時点で、フランスの基準で48時間以内の運転停止が必要とされる値の2倍に達していた。フラマトムは今月12日、中国の原発運営会社から関連データを受け取り、緊急会議を招集するよう中国側に要求したとしている。ただ、フラマトムは原発の運転を停止するかについて明言していないという。

 

 AFPによると、希ガスは化学反応性の低い元素で、今回発生したのはキセノンとクリプトン。EDFの広報担当者によると、一部の燃料棒のコーティングが劣化してガスが漏れ出したという。ガスは回収され、放射能を除去する処理をした上で放出されたが、これは「規定に従った」通常の措置だという。

 

 一方、エネルギー関連コンサルティング企業ランタオグループ(Lantau Group)のデービッド・フィッシュマン(David Fishman)氏は、燃料棒に亀裂が入ると、冷却装置内の「通常は核分裂物質が存在しない場所」に少量の核分裂物質が放出される可能性があると指摘。「燃料棒の破損や亀裂は核燃料産業ではごく普通に起きている。もちろん望ましいことではないが、珍しい現象ではない」と述べた。

 

 国際原子力機関(IAEA)は「現時点では、放射能事故が起きたと示す兆候はない」との見解を示している。中国では現在、47基の原子炉が運転中。総発電容量は米国とフランスに次ぐ世界第3位の48.75GW。

 

https://www.afpbb.com/articles/-/3351790?cx_part=top_topstory&cx_position=1

https://www.afpbb.com/articles/-/3351687?cx_part=related_yahoo