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インドネシアのウィドド次期大統領 原発導入に否定的 「対日関係を強化」(毎日)

2014-08-12 08:13:40

インドネシアのジョコ・ウィドド次期大統領
インドネシアのジョコ・ウィドド次期大統領
インドネシアのジョコ・ウィドド次期大統領


【ジャカルタ平野光芳】10月20日に就任予定のインドネシアのジョコ・ウィドド次期大統領(53)=ジャカルタ特別州知事=が11日、毎日新聞のインタビューに応じた。2011年の福島第1原発事故などを受け、事実上中断している同国の原子力発電所建設計画について「我が国には原発以外の良い選択肢が多くある」と述べ、現時点での原発導入に否定的な考えを示した。

対日外交については「50年以上協力してきた。インフラやエネルギー、製造業での投資を必要としている」と関係強化に意欲を見せた。ジョコ氏は12日、ジャカルタで岸田文雄外相と会談し、日本への期待を伝える見通しだ。

 

インドネシアでは急速な経済発展に伴って電力消費量が最近10年間で倍増しており、安定的な電力供給が次期政権の最優先課題の一つだ。ジョコ氏は「インドネシアには地熱や石炭、天然ガスなどの選択肢もあり(原発よりも)優先する」と指摘。「コストや効率も考慮したい」と、導入に含みを持たせたが「(福島事故のような)深刻な事態が起きる危険もある。慎重に調査、見積もりをしなければならない」と強調した。

 

インドネシアでは50年以上前から原発建設を目指す動きがあり、国内の少なくとも2カ所が候補地として名前が挙がっている。06年の日インドネシア首脳会談では、共同声明で日本が原発導入に向けた協力を表明。政府間で支援に関する文書も交わしている。

 

ユドヨノ大統領は事故後の11年6月、「原発なしで電力を賄えるにこしたことはない。原発は最後の選択肢だ」と表明し、慎重姿勢に転換。計画を推進するかどうか、ジョコ氏の対応が注目されていた。

 

対日関係では、ジョコ氏は先月22日の当選決定直後に安倍晋三首相から祝福の電話を受け、その際にも投資促進を要請したという。ジョコ氏は「日本とインドネシアは親友で、戦略的パートナーだ」と述べ、早期の訪日にも意欲を見せた。

 

http://mainichi.jp/shimen/news/20140812ddm001030163000c.html