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小水力発電 推進へ規制緩和 用水路は許可不要 (各紙)  開発適地は全国2万か所、原発14基分の潜在能力あり

2012-10-16 21:50:20

nikkeishousuiryoku96958A9C93819481E3E4E2E2EA8DE3E4E3E2E0E2E3E09F9FE2E2E2E2-DSXBZO4731082016102012I00001-PB1-7
各紙の報道によると、国土交通省は再生可能エネルギーである小水力発電の導入を加速するため、規制を緩和する。農業用水路に発電所をつくる場合、国や都道府県からの許可を不要にして、登録だけで済むようにする。設置までの事務手続きにかかる期間をいまの平均5カ月から1カ月程度に短くすることで、企業の新規参入を促す。来年の通常国会に河川法改正案を提出する方針だ。

 

水力発電は天候に左右されにくい再生可能エネルギーとして注目されている。このうち一般的に発電能力が1000キロワット以下の小水力発電は新たに大きなダムの建設が要らない。国交省によると、発電所は2010年度末時点で約500カ所ある。


 規制緩和の柱は登録制の導入だ。これまで農業用水は農業用として許可を得ていても、小水力発電を始めるには改めて国や都道府県から許可を得る必要があり、手続きが煩雑だった。このいわゆる「水利権」が普及の壁となっていた。




 すでにある農業用水路に小水力発電所を新たにつくっても、河川本流の流水量には影響がないため、許可は不要と国交省は判断した。新制度では水利権を持つ農家の了解を得るなどの条件をあらかじめ定め、これを満たした事業者はすべて登録できるようにする。




 また、国交省は来春にも、小型発電所をつくるため、河川から新たに直接水を引くのに必要な水利権を許可する権限を、国交相から都道府県知事などに一部移譲する方針だ。小水力発電所の建設から稼働までの期間を大幅に短くする。




 丸紅は今春、山梨県など3カ所で小水力発電の稼働を開始。20年までに国内30カ所程度の開発をめざす考えだ。建設コンサルティング大手の日本工営も鹿児島県で小水力発電に参入する。




 高知県や愛媛県などの自治体も小水力発電事業に乗り出している。このほか、農業用水を管理する土地改良区自らが発電に乗り出せば、売電収入が農家の新たな収入源となる可能性がある。国交省の規制緩和は官民のこうした動きを後押ししそうだ。




 今年7月から再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」が導入された。小水力発電の買い取り価格は、1キロワット時あたり25~35円程度で、従来の2~3倍となった。これまでより高い価格で売電できるようになったことで、国交省は規制緩和でさらに普及に弾みをつけたい考えだ。




 小水力発電に適した場所は日本全国で2万カ所以上あるとされる。環境省の推計によると、中小水力発電の潜在能力は約1400万キロワットで、原発14基分の出力にあたるという。政府も太陽光や風力、地熱などと並ぶ重要な再生エネと位置づけている。