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ハーフカーボンビルも登場 節電が救う日本のエネルギー危機 (各紙)
2012-11-13 01:01:23
各紙の報道によると、東京電力福島第1原子力発電所の事故後、電力各社の原発稼働率が低下し、電力の不足やコスト上昇が大きな課題になっている。政府は新しいエネルギー基本計画の策定を急いでいるが、省エネルギーは政府が従来想定してきた削減幅よりも、さらに深掘り可能だ。供給サイドを増強することも大事だが、IT(情報技術)を活用して需要サイドをスマートに構築し直すことが重要性を増している。
「中小のビルはビルエネルギー管理システム(BEMS)を導入し、きめ細かく管理すれば10%以上の節電は十分に可能」。NECのビルソリューション推進部の担当者はこう説明する。

NECは節電関連製品の提供に力を入れている(東京都千代田区で開催した展示会)
同社が今月8~9日に都内で開いた展示会「C&Cユーザーフォーラム」のなかでも力を入れていたのがスマートエネルギーやスマートシティ(環境配慮型都市)関連事業の紹介だ。BEMSだけでなく、家庭内エネルギー管理システム(HEMS)やブレーカーごとの電力使用量を「見える化」できるスマート分電盤など関連機器を展示。担当者は「電力会社の値上げもあり、大企業だけでなく、中小企業でも節電への関心が高まっている」と手応えを感じている。
政府は国家戦略担当相や経済産業相、環境相など関係閣僚で構成する「エネルギー・環境会議」でエネルギーの中長期戦略を議論してきた。6月に示したエネルギー戦略の3つの選択肢では、いずれも節電は1割に設定。2010年実績で1兆1000億キロワット時の発電電力量を30年に約1兆キロワット時に減らすとのシナリオだった。
このシナリオをもとに議論を進め、9月14日に策定した革新的エネルギー・環境戦略でも節電については「30年までに1100億キロワット時以上の削減を実現する」と、ほぼ同水準の目標値だった。現在、新しいエネルギー基本計画の策定は難航しているが、節電幅についてはもっと拡大できる余地が大きい。
例えば千葉県柏市で三井不動産などが展開する「柏の葉スマートシティプロジェクト」。08年から省エネ化を徹底したマンションなどの建設が徐々に進み、14年春にはオフィスや店舗、ホテル、住宅などが入る「148街区」と呼ぶ中核の施設が完成予定。空調や照明を最適制御するなど大幅な省エネを進め、商業・オフィス棟は05年度の東京都内のオフィスビルに比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を約50%削減した「ハーフカーボンビル」を目指す。
大企業に比べ、電力の「見える化」システムなどの導入が遅れている中小企業も削減余地が十分に残る。これまで機器購入費など初期コストが導入の足かせになってきたが、経済産業省などがBEMSに補助を開始。月々の料金で回収する工夫により、初期コストをゼロにするサービスも誕生した。
オリックスが今秋から始めた節電サービス「はっとわっと」は中小企業のビルや店舗、施設などに電力使用量を把握できる機器などを設置。設置工事費や通信料などのコストはオリックスが負担する。節電システムを導入すれば従来に比べ1~2割の節電が可能とみている。節電したことで節約できた金額を顧客企業とオリックスが分け合い、最大8割分を顧客企業側に成果報酬として与える。
中小企業にとって導入しやすい料金プランで、オリックスは今後3年間で3000件の契約獲得を目指す。経済産業省の支援制度を受けBEMSを提供する企業は増えており、今後、中小企業でも導入が加速しそうだ。
電気、熱のエネルギーを最適管理し、空調に必要なエネルギーをさらに減らす試みも進んでいる。NTTファシリティーズは本社がある大型ビル、グランパークタワー(東京都港区)で昨年夏から実験を開始。ビルに温水や冷水を供給する企業と組み、水の温度や供給量などの最適制御に取り組んだ。実験の結果、空調エネルギーを10~15%削減しても快適さは維持できたという。
エネルギー問題に詳しい日本総合研究所の藤波匠主任研究員は「東日本大震災後、日本の電力需要構造は変革を遂げつつある」と指摘する。電力会社の要請を受けた一時的な節電だけでなく、照明の発光ダイオード(LED)への切り替えや「見える化」システムの導入など節電行動が定着してきたためだ。「30年度の電力需要を10年度に比べ20%削減することは決して高いハードルではない」(同)とみる。
節電を深掘りすれば政府が革新的エネルギー・環境戦略で「30年までに10年比3倍の3000億キロワット時に増やす」と意欲的な目標を掲げる再生可能エネルギーの導入量が少なくても電力需給をバランスさせることができる。再生可能エネの導入量が増えると天候で出力がぶれやすい太陽光や風力発電の導入拡大に対応し、蓄電池を増やすなど電力系統を安定させるコストもかさむが、このコストも抑制できる。
これまで製造業は原価低減のため生産現場の電力消費をきめ細かく削ってきたが、オフィスや家庭では震災まで節電意識が不十分だった。原発事故後、再生可能エネルギーの普及促進については国民的な合意が得られたものの、省エネについても一段と踏み込んでいくことが急務だ。
「中小のビルはビルエネルギー管理システム(BEMS)を導入し、きめ細かく管理すれば10%以上の節電は十分に可能」。NECのビルソリューション推進部の担当者はこう説明する。

同社が今月8~9日に都内で開いた展示会「C&Cユーザーフォーラム」のなかでも力を入れていたのがスマートエネルギーやスマートシティ(環境配慮型都市)関連事業の紹介だ。BEMSだけでなく、家庭内エネルギー管理システム(HEMS)やブレーカーごとの電力使用量を「見える化」できるスマート分電盤など関連機器を展示。担当者は「電力会社の値上げもあり、大企業だけでなく、中小企業でも節電への関心が高まっている」と手応えを感じている。
政府は国家戦略担当相や経済産業相、環境相など関係閣僚で構成する「エネルギー・環境会議」でエネルギーの中長期戦略を議論してきた。6月に示したエネルギー戦略の3つの選択肢では、いずれも節電は1割に設定。2010年実績で1兆1000億キロワット時の発電電力量を30年に約1兆キロワット時に減らすとのシナリオだった。
このシナリオをもとに議論を進め、9月14日に策定した革新的エネルギー・環境戦略でも節電については「30年までに1100億キロワット時以上の削減を実現する」と、ほぼ同水準の目標値だった。現在、新しいエネルギー基本計画の策定は難航しているが、節電幅についてはもっと拡大できる余地が大きい。
例えば千葉県柏市で三井不動産などが展開する「柏の葉スマートシティプロジェクト」。08年から省エネ化を徹底したマンションなどの建設が徐々に進み、14年春にはオフィスや店舗、ホテル、住宅などが入る「148街区」と呼ぶ中核の施設が完成予定。空調や照明を最適制御するなど大幅な省エネを進め、商業・オフィス棟は05年度の東京都内のオフィスビルに比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を約50%削減した「ハーフカーボンビル」を目指す。
大企業に比べ、電力の「見える化」システムなどの導入が遅れている中小企業も削減余地が十分に残る。これまで機器購入費など初期コストが導入の足かせになってきたが、経済産業省などがBEMSに補助を開始。月々の料金で回収する工夫により、初期コストをゼロにするサービスも誕生した。
オリックスが今秋から始めた節電サービス「はっとわっと」は中小企業のビルや店舗、施設などに電力使用量を把握できる機器などを設置。設置工事費や通信料などのコストはオリックスが負担する。節電システムを導入すれば従来に比べ1~2割の節電が可能とみている。節電したことで節約できた金額を顧客企業とオリックスが分け合い、最大8割分を顧客企業側に成果報酬として与える。
中小企業にとって導入しやすい料金プランで、オリックスは今後3年間で3000件の契約獲得を目指す。経済産業省の支援制度を受けBEMSを提供する企業は増えており、今後、中小企業でも導入が加速しそうだ。
電気、熱のエネルギーを最適管理し、空調に必要なエネルギーをさらに減らす試みも進んでいる。NTTファシリティーズは本社がある大型ビル、グランパークタワー(東京都港区)で昨年夏から実験を開始。ビルに温水や冷水を供給する企業と組み、水の温度や供給量などの最適制御に取り組んだ。実験の結果、空調エネルギーを10~15%削減しても快適さは維持できたという。
エネルギー問題に詳しい日本総合研究所の藤波匠主任研究員は「東日本大震災後、日本の電力需要構造は変革を遂げつつある」と指摘する。電力会社の要請を受けた一時的な節電だけでなく、照明の発光ダイオード(LED)への切り替えや「見える化」システムの導入など節電行動が定着してきたためだ。「30年度の電力需要を10年度に比べ20%削減することは決して高いハードルではない」(同)とみる。
節電を深掘りすれば政府が革新的エネルギー・環境戦略で「30年までに10年比3倍の3000億キロワット時に増やす」と意欲的な目標を掲げる再生可能エネルギーの導入量が少なくても電力需給をバランスさせることができる。再生可能エネの導入量が増えると天候で出力がぶれやすい太陽光や風力発電の導入拡大に対応し、蓄電池を増やすなど電力系統を安定させるコストもかさむが、このコストも抑制できる。
これまで製造業は原価低減のため生産現場の電力消費をきめ細かく削ってきたが、オフィスや家庭では震災まで節電意識が不十分だった。原発事故後、再生可能エネルギーの普及促進については国民的な合意が得られたものの、省エネについても一段と踏み込んでいくことが急務だ。

































Research Institute for Environmental Finance