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身を切る改革は議員だけかーー総選挙のどさくさに、霞が関が公務員退職金削減法案を、大改悪(古賀ブログ) 悪い奴ほど「知恵が回る」ということか

2012-11-19 09:46:15

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霞が関はにんまりしている。選挙前に身を切る姿勢を見せようということで、急に決まった議員歳費2割カット。しかし、その影でまた、霞が関がほくそ笑んでいる。カットされるはずの退職金がカットされなくてすみそうだからだ。

 前にもこのメルマガで指摘したが、国家公務員の退職金は、仲間内の人事院の調査でも「平均で」400万円も民間企業よりも高いことが今年3月に発表され、これを引き下げるべしということになっていた。ところが、すぐに下げると、夏の異動時期に辞める幹部の退職金に響く。とりわけ、定年退職が決まっていた財務省の勝栄二郎次官の退職金は下げられないということで、ずっとサボタージュを続けた。しかも、何とその言い訳作りのために、どうやって引き下げたらいいのかを検討する研究会を作ったのである。

 

ふざけた話である。高過ぎると言われたのだから、ただ、単純に引き下げればいいだけだ。3月に言われたのだから、4月から下げればよい。ところが、彼らは、研究会の検討で夏まで引っ張り、ようやく、前国会の会期末が近づいたところで、何と、3回に分けて来年の1月から2年近くかけて下げるという閣議決定をさせた。しかし、そのまま何もせず、ついに勝次官はじめ多くの幹部官僚が高いままの退職金を受け取って辞めていった。

 

そして、今国会になってようやく引き下げ法案を国会に出した。しかも、絶対に騒がれないように、そっと出したので、ほとんどマスコミにも取り上げられなかった。もし、世論の注目を浴びれば、なぜ三段階なのかという国民の批判が噴出し、来年1月から平均400万円全額下げろということになってしまう。普通なら、下げる、下げると騒いで宣伝に使うのだが、今回は一切そういうことはしないで、静かにしている。

 ●政治の混乱は官僚の利益

 

先ほど入った情報によれば、やはり、三段階で引き下げる法案をそのまま今国会で通してしまうことを自民、民主で合意してしまったようだ。これが通れば、多くの公務員が定年退職する3月末の時点では、ほんの少しだけ退職金が下げられるだけで、民間よりも引き続き数百万円高い退職金が支払われることになる。これも連合に配慮する民主党と、元祖官僚丸投げ政治を続けるために官僚に恩を売りたい自民党の本質を見事に示す出来事だ。

 

これも霞が関の官僚たちの計算どおり。そして、2年間限定の給与の7.8%カットは2015年4月の消費税増税とともに元の水準に戻ることが決まっている。解散のシナリオから、次期政権の連立の枠組という日本の政治の柱立てを決めるのも財務省中心の官僚なら、自分たちの生活を守る小さな法律の差配もまた官僚が仕切る。政治が混乱すればますます官僚主導がはびこることになるのだ。