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安倍政権 日本の2020年の温暖化ガス目標値90年比3%増で決定 先進国で異例の増加目標 京都議定書目標より9ポイントも高い水準(FGW)

2013-11-07 23:02:41

世界の気候変動対応投資が減少、景気減速が圧迫
世界の気候変動対応投資が減少、景気減速が圧迫石原伸晃環境相は6日、ポーランドのワルシャワで11日から始まる第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)で、2020年までの日本の新たな温室効果ガスの削減目標を05年比3.8%と表明すると、安倍首相に報告した。京都議定書が基準年とした90年比では約3%の増加となる。主要先進国で増加目標を立てるのは異例。

 

日本は民主党政権時代に、鳩山元首相が90年比25%削減を国際公約していた。25%削減目標は稼働中はGHGを出さない原子力発電所の増設を見込んだ計画だったが、その後、東京電力福島原子力発電所の事故によって原発優先のエネルギー政策を見直さざるを得なくなっていることを理由として、大幅な目標変更を打ち出すことにした。日本の温暖化問題への取り組みが大幅に後退したと国際社会に受け止められることは必至だ。



 





 政府は、地球温暖化対策推進本部(本部長・首相)を15日にも開き、新たな目標を了承する見通し。新削減目標は原発の稼働をゼロと仮定して算出したという。年率2%程度の経済成長を前提にして、太陽光や風力などの再生エネルギー発電を大規模に導入し、さらに省エネ促進などの対策で達成できる現実的な目標として、実質プラス目標を打ち出した。ondanka96958A9C93819595E2E4E2E3958DE2E4E3E3E0E2E3E19793E0E2E2E2-DSXBZO6221633006112013I00001-PN1-6




 日本は2008~12年の京都議定書第一約束期間では、90年比6%削減を目標として掲げ、ほぼ達成した。ところが今回の目標は、その90年比では3%のプラス増加となり、京都議定書目標よりも実質9ポイントも高い目標水準を容認することになる。さらに、09年に自民党の麻生太郎首相(当時)が表明した「05年比15%減」よりも削減幅は小さい。安倍政権は、これまでの政権で「もっとも温暖化対策に後ろ向きの政権」ということになる。




 政府内では、「原発の再稼働が進めば、最大で10%程度上乗せできる」として、温暖化対策を求める声を、原発稼働の応援に向かわせたいという思いもあるようだが、原発の安全性の問題と、温暖化対策を天秤にかけるような政策追求は、日本の環境派にはなじまないと思われる。EUは「90年比で20%削減」をほぼ確実にしており、2030年目標についても「90年比40%~50%削減」を目指しているとの報道もある。米国でさえ、コペンハーゲン合意で「05年比で17%削減(90年比3%減)」を打ち出しており、ほぼ達成可能という状況で、日本の新目標は明らかに見劣りする。

COP19の場で、「温暖化対策は先進国の責任」と主張する途上国が、大幅後退の日本を標的として批判する公算も出ている。他の先進国が日本を擁護してくれるとはとても思えない状況だ。いっそのこと、日本は「温暖化対策は後進国」と自ら認めて、後進国グループに仲間入りをお願いしてはどうかとも思える。




 日本がこうした低いレベルの目標値しか提示できないことは、2020年以降の温暖化対策の新たな枠組み作りを目指すCOP19、および以降の国際交渉で、日本の影響力が大幅に低下することは避けられない。