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金融機関11社、東電向け追加融資で足並み 計5000億円。 株主、顧客向け説明責任が焦点に(FGW)

2013-12-18 15:51:38

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各紙によると、東京電力に融資をしている日本政策投資銀行や三井住友銀行など取引金融機関11社は26日、東電に新たに5000億円の融資を実行する。柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の再稼働見込み等を追加融資の理由としているが、福島原発収束見通しが依然つかない中での融資決定は、金融機関の説明責任を問うものとなりそうだ。



 

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 三井住友などは大震災直後、東電に対して2兆円の緊急融資を実施した。資金使途は事故の復旧費用などに振り向けるためとされた。その後、昨年5月、政府が東電の総合特別事業計画(再建計画)を認定したことを受けて、総額1兆700億円の追加融資に応じる方針を決めた。

 1兆700億円の内訳は、新規融資5000億円、信用コミットメント枠4000億円、過去の融資借り換え分1700億円。こららのうち、第1弾は昨年夏に実施された。

 今回の5000億円は第2弾となるもので、3000億円は期間3年の新規融資、残りの2000億円が昨夏の第一弾実行分の借り換え分。いずれも東電の設備などの資産を実質的に担保として徴求するという。Mizuhoimg_b_logo02




 東電の原発事故前の資金調達は、金融機関からの借り入れよりも、公募社債による調達が主だった。事故前までは、借入は約2兆円で、社債調達は約5兆円に達していた。しかし、事故後、信用力の急低下で、社債の消化が困難に陥っており、銀行借入にシフトしている。




 金融機関の融資継続で東電の資金繰りはひとまず安定する。また東電と、東電に賠償資金を融資している原子力損害賠償支援機構は、金融機関に対して、東電の再建計画を改定するに際して、金融機関融資を無担保融資に切り替える要請をしている。というのは、金融機関は、貸し倒れリスクに備えて東電向け融資に担保設定を条件としているため、東電にとって自由な資産処理が困難になっている。

 金融機関にとっては、東電は実質、政府支援があるとはいえ、今後の福島処理の行方や、原子力政策についての政権の方針が変更される可能性もゼロではないことから、株主に対する説明責任としても、融資の回収見込みを確実にしておきたいのが本音。ただ、金融機関の中には、「東電の再建を支援する意味で収益や資金繰りが安定的に推移すれば、無担保への切り替えを前向きに検討する」構えをとるところもあるという。

 金融機関が問われるのは、株主への説明責任だけではない。政府の福島復興政策の遅れで、同県内の震災関連死者数が震災の直接死者数を上回る事態になっており、政府の除染や廃炉作業の遅れに対する県民の不満は高まっている。地元の福島民報と福島テレビが共同で行った世論調査では、除染が進んでいないという声が過半数を越え、その理由として半数近い人が「国の責任」と回答している。

 こうした福島県民の不満に対して、多くの脱原発支援の人々が支持をしており、政府の東電支援政策を丸飲みしたような金融機関の対応が続くと、不満の矛先が金融機関に向く可能性もある。少なくとも、今回の東電支援融資に参加した金融機関は、「東電支援金融機関を取引対象とはしない」動きが出てきていることを、考える必要がある。