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独環境NGOジャーマンウォッチ 各国の温暖化政策を比較する2016年版の政策パフォーマンス指標開示。日本は57国中54位で落第。「後がない」(RIEF) 

2015-12-10 00:25:25

GermanWatch5キャプチャ

 ドイツの環境NGO、ジャーマン・ウオッチ(GermanWatch)は世界各国の地球温暖化対策の取り組みを比較したClimate Change Performance Index(CCPI)の2016年版を発表した。日本は前年より3位下がって、54位。対象となった57か国中、最下位から4番目の「落第生」に認定された。

 

 CCPIは、各国の温暖化対応力を、気候変動政策、エネルギー効率化、再生可能エネルギー、排出量水準、排出増の5項目で大別し、さらに国民一人当たりCO2排出量や第一エネルギー供給に占める再エネ比率など15項目で細分、スコアリング評価をする。

 

 その結果、どの国も温暖化を防ぐための対策が完璧ではないとして、格付けで「とてもいい(very good)」となる1~3位のトップスリーは「該当国なし」となった。実際の評価がもっとも高かったのはデンマークで、スコアは71.19。次いで英国(70.13)、スウェーデン(69.91)、ベルギー(68.73)、フランス(65.97)と続いた。

 

 デンマーク(4位)から16位のラトビア(61.38)までは「良い(Good)」と評価された。また30 位までが「中間(Moderate)」、47位までが「弱い(Poor」)、それ以下は「非常に弱い(Very poor)」。つまり、「弱い」までは何とか合格圏内だが、48位以下は、完璧な「落第生」である。

 

Germanwatch2キャプチャ

 日本はその「落第」ランクでも最下位から4番目の58位(37.23:1~3位は空白)で、57位の韓国(37.64)の後塵を拝するポジション。トップのデンマークの半分程度でしかない。日本以下の国は、オーストラリア、カザフキスタン、サウジアラビアしかない。当然、G7諸国では日本は最下位。

 

他の主な国では、ジャーマンウォッチの「母国」であるドイツは22位、米国はギリシャに次ぐ34位、中国は47位、ロシア53位などだが、いずれも日本より上位にランクされている。

 

 CCPIの評価を担当した Jan Burck氏は「 エネルギー多消費型のグローバル経済は、明らかに減少し続けている。これからの数年で、エネルギーセクターはグローバルレベルで厳しい局面に至るだろう。2013/14年は新規の再生可能エネルギー発電の建設が、他のすべての従来型のエネルギープロジェクトを合計したよりも多かった年だ。このことは多くの国がエネルギーセクターの脱カーボン化に向けて動き出していることを物語る」と説明している。

Germanwatchキャプチャ

https://germanwatch.org/en/download/13630.pdf