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環境NGOの「350.org」日本支部、メガバンク等7金融機関に対して、化石燃料・原発関連企業向け投融資情報の開示等を求める「預金者の意思」付きの要請書提出(RIEF)

2017-09-22 17:36:56

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 企業の気候対応を求める環境NGO「350.org・日本支部(350 Japan)」は22日、三菱東京UFJ銀行など国内大手7銀行に対し、①化石燃料や原発関連企業と同事業への投融資情報の開示②パリ協定と整合した投融資方針の策定③投融資先を化石燃料・原発から再エネ・省エネに積極的な企業に移行――などを求めた要請書と、預金者1000人分以上の署名を提出した。署名した預金者の想定預金額は33億円強。「預金者の意思」を束ねて要請した形だ。

 

 要請書と署名の提出先は、三菱東京UFJのほか、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、農林中央金庫の各金融機関。

 

 パリ協定の発効を受けて、欧米では、CO2排出量が最も多い石炭産業などの化石燃料関連企業への投資を撤回する「ダイベストメント(Divestment)」を経営方針として打ち出す金融機関が増えつつある。350 Japanは日本のメガバンク等の大手金融機関についても、気候変動対応に関する適切な情報開示の実施と、環境に配慮した投融資方針を策定すべきであるとの判断から、各金融機関の預金者の声を集めた。

 

 署名はオンライン中心で集め、署名者の年代、都道府県、預金の預け先の銀行、推定預金額などの情報を任意で聞き取った。こうした「預金者情報」に基づいて、署名者の総預金量順位の多い金融機関を基準にして7行を選んだとしている。たとえば三菱東京UFJについては、預け先の銀行が判明している賛同者の約3割(142名)が同行の顧客だという。

 

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 要請事項は3点。

 

 ①化石燃料及び原発関連企業と事業を含むESGリスクが高い分野への投融・融資 の規模・資産額を開示すること。

 

 ② 地球の気温上昇をパリ協定が目標とする1.5〜2度未満に抑えることを目標に、 科学的な知見と整合した 投資・融資方針を策定し、 投資・融資先企業における 温室効果ガス排出量削減目 標を達成するまでのロードマップを明確にし、その実行を宣言すること。

 

 ③ 2020年までに国内外の化石燃料および原子力発電事業への新たな投資・融 資を凍結し、そ れらの投資・融資を再生可能エネルギー及び省エネ事業や社会 貢献に積極的な企業へと移行すること。

 

 これらの要請に対する回答を、それぞれの金融機関の顧客である預金者の賛同署名付きで求めている。回答は、10月6日までと期限を定めている。

 

 350 Japanは7銀行に対し、預金者の声を直接届けるために要請文と署名を手渡し提出しようと交渉したが、各銀行から拒否された。

 

 350 Japan代表の古野真氏は、「気候変動に配慮した投融資方針の策定は金融機関の『社会的責任』の一環。気候変動問題を危惧し、責任のある銀行業務を求める市民の声を受け入れ、炭素排出ゼロの経済の構築に向けた道筋を各銀行に明らかにしていただきたい」と指摘している。

 

 要請への対応がない場合は、今後、署名者とともに、当該銀行の預金口座を、化石燃料や原子力関連企業に投融資をしていない金融機関に移すダイベストメント・キャンペーンを実施する、としている。

http://world.350.org/ja/press-release/mbmfbankpetition/