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ベルギーの原発が内部火災で一時停止 政府が再稼働方針を打ち出したばかり。隣国ドイツの住民から強い抗議(RIEF) 

2015-12-22 01:20:38

Belgian2キャプチャ

  ベルギーのティアンジュ原発1号機が先週末、内部火災の発生で、停止した。原発を運転するエレクトラベル社は、火災による作業員や公衆、環境への影響はないとしているが、同原発はこれまでも再三の事故を起こしており、隣国のドイツなどからも批判が出ている。

 

 同原発はベルギー国内にある2つの原発サイトの一つ。加圧水型の3基の原発があり、このうち今回、火災事故を起こしたのは1975年稼働の1号機(962MW)。同機は30年の設計寿命だったが、10年延長した後、さらに2025 年までの延長が決まっている。

 

 しかし、同機を含め、ティアンジュの原発はこれまで再三にわたって事故を起こしてきた。2002年11月、2005年、2008年と相次いで小規模な事故を起こした。2006年には少量の放射能汚染水漏れが見つかった。その後、エレクトラベル社は漏れを修復したとしていたが、2012年に汚染が続いていたことが分かった。

 

 2012年9月には、2号機で外部コンクリートの劣化が見つかり、さらに無数のひび割れも発覚、ひび割れは最大6cmのものもあった。こうしたことから、2号機は2年にわたって停止されていた。しかしベルギー政府は先週、同原発の再稼働方針を打ち出し、隣国のドイツ住民などから非難を受けていた。

 

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 同原発はドイツの国境の町アーヘンまで70kmと、近いところにあるためだ。脱原発を決めているドイツでは、相次ぐ隣国原発での事故に、神経をとがらせている。ベルギー自体も、2025年には原発を全面停止すると表明しているが、ベルギーの消費電力の約半分をティアンジュとドイルの2つの原発サイトの7基の発電でまかなっているため、予定通りの脱原発ができるか不透明とされる。

 

http://www.dw.com/en/fire-shuts-down-belgiums-tihange-nuclear-reactor/a-18929156