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第一原発1号機、ロボット調査見直し 新年度に延期

2016-01-29 21:47:19

fukushimarobottキャプチャ

  各紙の報道によると、東京電力は福島第一原発の1号機の格納容器内のロボット調査を、今年度中に行うとしていたが、格納容器内の事故堆積物が多く、このままではロボットが機能しにくいとして、実施を来年度に延期した。

 

 東電の当初案では、ロボットを原子炉の1階の開口部から直接汚染水のたまった地下階に投入し、水中を走行させて調査する計画だった。しかし、事前調査をしてみると、事故を起こした原子炉の床面には多くの堆積物があり、ロボットの走行でヘドロ状に堆積したそれらが舞い上がって水中が濁り、カメラの視界が確保できなくなる可能性が出てきた。

 

 このため、国と東電は、このままではロボットを投入できたとしても、効果的な結果は得られないと判断、今年度内に予定していた1号機でのロボットによる水中調査の手法を見直し、来年度に延期する。新たに小型の線量計とデブリの近くにカメラを近づける方法を検討しているという。

 

 国は平成29年6月にも事故を起こした原子炉各機の溶融燃料の取り出し方針を決める予定。今回の調査ロボット投入の遅れの影響について、経済産業省資源エネルギー庁の担当者は「現時点で工程への影響はない」と説明している。

 

 東電の福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者は「工程に影響を与えないよう努力する」とした上で「急ぐあまり作業の危険性を高めてもいけない。決められた方法にとらわれず、立ち止まって対策を検討していきたい」と述べている。



 また、原子炉周辺の放射線量は最大で毎時約8シーベルトで、目標とする毎時100ミリシーベルトまで低減できていない。東電は「28年度中の早い時期に実施したい」としているが、技術的可能性だけでなく、放射線量の低減が見込めない中での実施は、作業員の負担を増大させるだけ、との見方も出ている。