HOME13 原発 |福島県内の河川での放射性物質の堆積土砂。最大は双葉・前田川5万4500ベクレル。国の指定廃棄物基準の約7倍。豪雨時に氾濫・拡散の可能性。未除染箇所の汚染度は一向に変わらず(福島民友) |

福島県内の河川での放射性物質の堆積土砂。最大は双葉・前田川5万4500ベクレル。国の指定廃棄物基準の約7倍。豪雨時に氾濫・拡散の可能性。未除染箇所の汚染度は一向に変わらず(福島民友)

2016-04-01 16:29:21

futabamaedagawaキャプチャ

 

 福島県は31日、中通り、浜通り21市町村の72河川、87カ所に堆積した土砂の放射性セシウムの濃度と表面線量を初めて公表した。

 

 87カ所については、県の河川パトロールなどで比較的高い放射線量が確認された。セシウム濃度は、土砂の水分量を差し引いた「乾泥」の値として推計した。最大値は双葉町新山地区の前田川で1キロ当たり5万4500ベクレル。焼却灰や下水汚泥などを国が「指定廃棄物」として処理する放射性セシウム濃度の基準1キロ当たり8000ベクレルの約6.8倍だった。

 

 表面線量の最大値は双葉町松迫地区の松迫川で毎時4.12マイクロシーベルト。2地区はいずれも避難区域。

 

 17カ所5~7月除去 氾濫危険性高く

 県が、堆積した土砂の放射性セシウムなどを公表した21市町村の72河川、87カ所のうち、17河川、17カ所については土砂の堆積量が多く、洪水時に氾濫の危険性が高いとして5~7月をめどに除去する。

 

 除去作業を行う17カ所のうち3カ所の土砂は、再利用する上で国が定めた基準の「表面線量毎時0.23マイクロシーベルト」を超えるため、県が保管場を設けて管理する。このほか14カ所の土砂は基準未満のため、ほとんどは公共事業で再利用する。残り70カ所については、土砂の堆積状況を見ながら除去に備える。

 

 河川の除染について環境省は、生活圏の空間線量が高くなる場合を除き原則、除染しない方針を示しており、土砂の除去は進んでいなかった。「除去した土砂の放射線量が高かった場合、処理に困る」(河川整備課)としている。

 

 しかし、昨年9月の関東・東北豪雨で河川の土砂が堆積し、さらなる豪雨によって河川が氾濫する危険性が増したため、県が独自の対応を検討した。土砂の除去費用は、5000万~1億円を見込んでいる。

 

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160401-062626.php