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東北電力女川原発など3原発で 緊急事故対応の保安規定違反。原子力規制委員会が違反を指摘。福島事故5年経過で早くも事故対応姿勢が風化(各紙)

2016-06-30 08:20:57

onagawaキャプチャ

 

 各紙の報道によると、原子力規制委員会は29日の定例会合で、東北電力女川原子力発電所(宮城県)など3原発で、原子炉の緊急停止などの信号を送るケーブルが不適切に設置されていることを発見、保安規定違反と認定、改善を指示した。

 

 現状のままでは、緊急時などの火災発生時にケーブルが延焼し、安全機能を失う恐れがあると指摘している。同様の違反が見つかったのは東北電力の女川のほか、東京電力福島第2原発(福島県)と中部電力浜岡原発(静岡県)。

 

 原発の新規制基準では、安全上重要なケーブルについては、他のケーブル等と区別して設置するよう求めている。しかし、3原発では基準を守らず、混在していた。また、原発以外の施設でも、日本原燃が青森県六ケ所村で建設中の使用済み核燃料再処理工場で違反があった。

 

 このほか、東北電の東通原発(青森県)や北陸電力志賀原発(石川県)でも同様の問題が見つかった。保安規定で定める前に工事が行われていたため違反ではないが、安全対策などの必要性を指摘した。

 

 東電福島原発事故から5年を経過するが、各電力会社の原発での事故発生を想定した対応が不十分な体制が今も続いていることを物語る。

 

 規制委は今後、保安検査を通じて各原発の改善状況を確認するとしている。田中俊一委員長は「事業者の姿勢をきちんと正していくことが必要」と述べている。