トヨタ ソーラーパネル付きのハイブリッド車開発。秋に日本で販売へ。燃費向上に加え、災害時の電源にも(RIEF)
2016-05-31 16:32:07
トヨタ自動車は、今年秋にソーラーパネルを車両の屋根に搭載した新型プリウスPHV「プリウスプライム」を日本市場で発売する。太陽光発電付きの自動車の登場は初めてとなる。
「プリウスプライム」は今年3月にニューヨークで開いた国際オートショーで披露された。プラグインハイブリッド(PHV)システムで、従来のハイブリッド車では発電機としてのみ使用していたモーターを、走行用モーターとしても利用するデュアルモータードライブシステムを搭載することで、EVとしての走行距離は60km以上を可能とした。
また、最大の特徴は日本と欧州仕様車において、世界で初めて「ソーラー充電システム」を搭載した点だ。自動車のソーラー充電システムは、車両のルーフに搭載した太陽光パネル(ソーラールーフ)で発電し、その電力を駆動用バッテリーおよび12V(ボルト)バッテリー系統へ供給する。
発電した電力は、駐車中は駆動用バッテリーを充電し、走行中は駆動用バッテリーの消費を抑えることができるので、EV走行距離や燃費の向上に貢献する。また、充電スタンドがない駐車場や災害等で停電した場合でも、太陽光があれば駆動用バッテリーの充電が可能という。
また、家庭用電源から充電できるほか、家庭用蓄電池の代替にもなる。駆動用電池の電力を車外へ供給できる外部電源供給システムを搭載していることから、災害等の非常時にはエンジンも作動し、発電機の代替としても機能できる。
EV用の急速充電機の国際規格であるCHAdeMO(チャデモ)に対応した急速充電機能を備えていることから、約20分の充電で充電量を80%程度まで確保できるという。JC08モード走行時におけるハイブリッド燃費は37km/lで、EV走行換算距離は60kmだ。
同車は、6月15日から17日に東京ビッグサイトで開催する「スマートコミュニティJapan 2016」で公開される。