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地球温暖化の影響で、1993年以来の海面上昇、全地球平均で7cmに。地域によっては平均より20cm高いところも。米NOAAが報告(RIEF)

2016-08-04 23:56:33

Sealevelキャプチャ

 

  世界の海面は1993年から2015年までの間に平均7cm上昇したことが確認された。このトレンドが続くと今世紀末には、約30cm上昇する計算。温暖化の影響は確実に現れている。米国の海洋大気局(NOAA)国立環境情報センター(NCEI)の2015年報告で明らかになった。

 

 海面上昇は1993年から衛星による全球的な高度観測が開始されている。7cmの平均(中位)上昇は過去最高だった。1年平均では3.3mmの上昇。年間3.3mmの上昇は20世紀の初めのころに比べると確実にスピードアップしているという。

 

 地球の大気の流れや、エルニーニョなどの影響で、地域によって海面上昇には差がある。 太平洋中央部の赤道付近では、平均よりも20cmまで高い上昇が記録され、逆に太平洋西部の熱帯域では20cmまで低いデータが記録されている。

 

 Sealevel2キャプチャ

 

  海面上昇が平均よりも高く出た太平洋中央部では、赤道付近の温まった海水が、貿易風にあおられて海洋の西側へ集められるのが通常。ところが、2015年は強いエルニーニョの影響で 貿易風が弱まり、温まった海水は西側へ流れず、東側に留まったままとなり、その部分の海面も上昇したとみられる。2015年だけで、長期的なトレンドよりも10mm高くなった。

 

 太平洋の西側で平均を下回る海面低下になったのは、その逆で、西側に海水が流れてこなかったためとみられる。

 

 海洋別にみると、西太平洋やインド洋では平均よりも、上昇率が高い。これに対して、東太平洋や南大西洋あるいは北大西洋の一部では、海面上昇がほとんどみられないところや、逆に低下しているところもある。これらの違いの多くは、長期的なものではなく、風の流れのパターンによるという。

https://www.climate.gov/news-features/featured-images/2015-state-climate-sea-level