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大和ハウス工業、日本初の“電力自給自足のZEBオフィス”、佐賀県で実証実験開始。太陽光+蓄電池+省エネ徹底で「電力自立」達成へ(RIEF)

2018-02-27 15:54:10

daiwa1キャプチャ

 

 大和ハウス工業は、ビルの電力を外部の電力会社に依存せず、ビル独自の発電でまかなう「100%電力自給自足オフィス」の実証実験を、佐賀県の自社ビルで始めた。太陽光発電と蓄電池を組み合わせた電力自立システムを構築し、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を、日本で初めて実現する。

 

 実証実験を行うのは、佐賀県佐賀市に2月26日に完成した「大和ハウス佐賀ビル」。鉄骨2階建、延床面積約2444㎡で、住宅や集合住宅、リフォーム事業などの営業所拠点として約100人の社員が利用する。同ビルは経産省が実施する2017年度「ZEB実証事業」に採択され、太陽光発電(発電容量83.2kW)、リチウムイオン蓄電池(容量75kWh)、井戸水、太陽熱を利用した空調システムなどを導入している。

 

 日中は太陽光発電で発電した電力を使い、夜間や天気の悪い日は蓄電池で蓄えた電力に切り替える。また出力される電力は直流方式なので、通常のように交流変換に伴う電力損失を約8%削減できる。その結果、同じクラスのビルと比較して、電力料金を年間約600万円節約できる。ビル自体、「住宅性能評価・表示協会が定める建築物省エネルギー性能表示制度(BELS:Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)」の最高ランクの5つ星を取得している。

 

100%電力自立ビルの仕組み
100%電力自立ビルの仕組み

 

  地下からくみ上げた井戸水と屋上の太陽熱集熱器を活用する自然空調システム「井水・太陽熱利用ハイブリッド空調システム」の導入で、空調による消費電力を、同クラスのビルよりも約7割削減できる。このほか、、BEMS(Building Energy Management System)や、LED照明と人感センサーを組み合わせたシステムなどを導入し、ビル全体の省エネ性能を高めている。

 

 つまり、省エネと再エネの最新技術の最適組み合わせで、「自給自足オフィス」を実現するわけだ。万一、自前の太陽光発電システムと蓄電池によって必要な電力を供給できなくなる場合は、九州電力から電力の供給を受ける契約も結んでいる。

 

 大和ハウスは環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」をもとづき、自社ビルを中心に環境負荷の低いZEBの実現を推進している。2016年には、愛知県津島市で述べ床面積1万㎡超の大規模店で、日本で初となるZEBを実現している。こうした実績を踏まえて、日本初の「電力自給自足オフィス」の実証実験に漕ぎ付けた。今後は、「佐賀ビル」をモデルケースとして、電力会社に依存しない自給自足型の新たな電力自立システムの普及を加速させていく方針だ。

 

http://www.daiwahouse.com/about/release/house/20180226092421.html