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陸上風力発電、太陽光発電の電源コスト、半年で平均18%も下落。新規の石炭火力等の既存電源はすでに競争力を失う。BNEFが分析(RIEF)

2018-04-05 08:00:16

BNEF6キャプチャ

 

  風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー発電のコストがともに半年で18%も下がっている。ブルームバーグNEF(BNEF)が、電源ごとの発電原価を表す「均等化発電原価(LCOE)」を今年上半期と昨年下半期を比較してわかった。BNEFは再エネ価格の着実な低下で、新規の石炭・ガス火力発電はコスト面でも競争力を失った、と評価している。

 

 LCOEは、電源ごとに適切な建設単価・燃料費等を想定してモデル計算する手法。化石燃料発電と再エネ発電のいずれの評価もできる。BNEFの分析によると、今年上半期の陸上風力の平均LCOEは、1MWh当たり55㌦で、17 年下半期比18%改善する。太陽光発電(無トラッキングシステム)も同70㌦で前期比18%の改善。洋上風力発電は118MWhで前年同期比で5%改善した。

 

 BNEFは2009年以来、LCOEをグローバルベンチマークとして評価している。太陽光発電はこの間、77%の価格改善を示している。陸上風力は同じく38%の改善となっている。これに対して、石炭、ガス、原子力、大規模水力等の従来型の電源コストの低下は、極めて緩やかで、ある国では実際には逆に増大しているところもあるという。

 

 再エネ電源の活用に影響の大きい蓄電設備のリチウム電池のコストは、2010年の1kWh当たり1000㌦から2017年は209㌦へ、79%の価格改善となっている。蓄電設備のコスト低下は再エネ発電の有用性をさらに高める要因といえる。

 

 地域別では、例えばインドでは、陸上風力のベンチマーク価格は1MWhで39㌦。1年前に比べて46%の改善。太陽光発電は41㌦で同45%改善と、グローバル平均より倍以上の改善率となっている。インドでは石炭火力は68㌦なので、再エネ・ベンチマークのほうがすでにコスト的に安価になっている。コンバインドサイクルガス発電は同93㌦で、再エネ発電の倍以上のコストだ。

 

 インドの再エネ発電は、地域やプロジェクトによってLCOEは34~208㌦、太陽光発電は47~308㌦とかなりの幅があるが、BNEFによると、中位価格帯のコスト低下は急速になっている。

 

 BNEFは、こうした急速な再エネコストの低下は今後も続くとみられることから、化石燃料発電はこれまで利点とされてきた①大量に発電できる②迅速に発電できる③柔軟な発電ーーのメリットも薄れていると指摘している。再エネ発電と蓄電設備のLCOE低下によって、新規の化石燃料発電の競争力は急速に低下しているわけだ。

 

 BNEFのエネルギー経済部門ヘッドのElena Giannakopoulou氏は「操業中の石炭・ガス火力発電のいくつかは投資費用を十分には回収できないが、引き続き大量発電機能等があるので、今後も発電を継続できるだろうが、新規の火力発電の採算性は厳しい」と分析している。

 

 再エネコスト低下が著しいのは、陸上風力発電では、インド、ブラジル、スウェーデン、オーストラリア、太陽光発電では、チリ、インド、オーストラリア、ヨルダンの各国だという。

https://about.bnef.com/summit/event/new-york/.