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東京ガス、海外での再エネ事業に本格進出。仏エネルギー大手のエンジーと、メキシコで共同再エネ会社設立。一般家庭約130万世帯分の再エネ電力を開発・供給へ(RIEF)

2019-04-09 15:13:37

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  東京ガスは8日、フランスのエネルギー大手のエンジーと共同で、メキシコでの太陽光発電と風力発電を軸とした再エネプロジェクト事業に参画する。2020年までにメキシコに太陽光と風力発電所を建設する計画で、メキシコの一般家庭約130万世帯分の電力を供給するという。東ガスが海外での再エネ事業に本格進出するのは初めて。

 

 (写真は、2月に稼動したメキシコ東部のトレメサス風力発電所)

 

 国内のガス事業は、2017年4月のガス小売り全面自由化で経営環境は競争が高まり、厳しさを増している。東京ガスは、国内では再生エネ事業に進出しているが、今後海外市場の成長が見込めると判断し、エンジーとの提携を決めた。

 

 エンジーが設立した、メキシコでの再生エネの開発・運用を担う会社の株式の50%を、東京ガスが米子会社を通じて取得する。投資額は非公表。東京ガスの出資後、共同会社は名称を「エオリオス・エンテーヘー」へと改称するという。

 

エンジーとの協働が医者が保有する6プロジェクトの所在地
エンジーとの共同会社が保有する6プロジェクトの所在地

 

 エンジーは、これまでもメキシコでは、発電、熱電併給(コージェネレーション)、天然ガスの輸送・配給、圧縮天然ガス、住宅用・商用・産業用エネルギー・サービス等のエネルギー事業を20年以上運営している。

 


 今回の再エネ発電プロジェクトは、メキシコ各地に展開する6つのプロジェクト(総発電出力89.9万kW)を開発する計画。対象プロジェクトはすべて、メキシコ電力オークションで15年間の長期売電契約を落札しているという。

 

 メキシコは、日照や風況のいずれにも恵まれた風土で知られる。メキシコ政府は国内のクリーンエネルギーの割合を2024年までに35%へ引き上げることを目指すエネルギー関連法を2015年に公布している。

 

 今回の提携について、エンジーのピエール・シャレイル副社長(ラテンアメリカ総括)は、「東京ガスとの共同会社により、両社の強みを互いに活かすことで、エンジーグループは、今後も重要な事業分野である再エネ事業を拡大し、メキシコの再エネ事業の国家目標の達成や円滑な脱炭素化に積極的に貢献できる」と述べている。

 

メキシコ中部のトロンペソンの太陽光発電建設用地(7月完成予定)
メキシコ中部のトロンペソンの太陽光発電建設用地(7月稼動予定)

 

 東京ガス専務執行役員(海外本部長)の野畑邦夫氏も「共同会社はエンジー、東京ガスの双方に更なる繁栄をもたらすものであるとともに、東京ガスグループとして初めての海外再エネ事業への参入となる記念すべき第一号案件」と評価している。

 

 東京ガスは、首都圏を中心に、約1100万件超の都市ガス顧客を抱えている。電力事業でも、自社持分の電源を約165万kW保有し、日本最大の特定規模電気事業者(PPS)でもある。2020年を睨んだ経営計画の「GPS2020」では、国内外で100万kW規模(国内40万kW・海外60万kW)の再エネ電源の獲得を目標に掲げ、内外でのエネルギー事業進出を強化している。

https://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20190408-01.html