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丸紅、中国のジンコソーラー連合 アラブ首長国連邦(UAE)で過去最安値の大規模太陽光事業を受注。1170MW。1kWh当たり2.3㌣(約2.6円)(各紙)

2017-01-29 15:50:02

UAEキャプチャ

 

 各紙の報道によると、大手商社の丸紅は、中国の太陽光パネルメーカーのジンコソーラーと連合を組んで、アラブ首長国連邦(UAE)が計画する世界最大級の大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業を受注した。受注価格はこれまでの太陽光発電事業で世界最安値の1kWh当たり2.3㌣(約2.6円)。発電出力は約1179MWで、原子力発電所1基分を超える。

 

 丸紅とジンコは、昨年9月にUAEのアブダビ水電力省が行った入札(350MW分)に、1kWh当たり2.41米㌣というその時点で世界最安値で応札、EDFやMasdarなどのライバルを蹴落として落札した。グローバル市場での太陽光事業の最安値はそれまでチリでの同2.91㌣。さらに丸紅チームは、対象範囲を1170MWに拡大、全体の価格も同2.30㌣へ引き下げて契約を結んだ。

 

 事業は、アブダビ東部のSweihanに広がる砂漠地帯。東京ドーム166個分に相当する約7.8㎢の土地を現地政府から借り受ける。総額1000億円の規模で、アブダビ水電力省が60%、丸紅が20%、ジンコが220%を、それぞれ出資する。

 

 発電した電力は、地元の電力会社に25年間の契約で買電する。来月中に契約に調印し、2019年の運転開始を目指すとしている。

 

  UAEの国内の電力供給源の中心は天然ガスを使った火力発電となっている。しかし、昨年発効したパリ協定で同国が公約した温室効果ガス削減の目標を実現するために、2050年までに電力需要の44%を再生可能エネルギーで賄う計画を打ち出している。

 

  UAEは、石油・ガス等の化石燃料が豊富な中東諸国のなかでも、再エネ発電に積極的に取り組んでいる国で知られる。太陽光や太陽熱発電は、砂漠が広がる同国にとって、別途、豊富な自然エネルギーでもあり、本格的に開発することで、国内のエネルギーバランスを維持できることにもなる。

 

  丸紅は、すでに火力発電所を中心に世界で約1100万kWの発電所を運営中。ただ、海外でのメガソーラー事業に直接参画するのはチリでの事業の1件のみだった。今後は発電効率の高い中東地域での開発案件を増やす方針だ。

 

 砂漠での太陽光発電の場合、パネルに砂ぼこりが付着したり、高温過ぎる課題があるが、最近のパネル技術の進展で、そうした課題も克服されている。グローバル市場ではパネル全体の価格が継続的に低下しており、採算的にも十分収益を確保できると判断した。

http://www.marubeni.co.jp/news/

http://www.thenational.ae/business/energy/record-low-bids-submitted-for-abu-dhabis-350mw-solar-plant-in-sweihan