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タックス・ヘイブンもグリーンに傾斜(?)。英国王室属領ガンジー島が、独自のグリーンファンド制度を立ち上げ。共通ルールで「グリーン性」を評価、ロゴの提供も(RIEF)

2018-07-18 12:47:56

guernsey2キャプチャ

 

   タックスヘイブン(租税回避地)として知られる英国チャネル諸島のガンジー島が、国際的なグリーンファイナンスセンターを目指して、グリーンファンドを独自に認定する「ガンジー・グリーンファンド」制度を立ち上げた。ガンジーの金融サービス委員会(GFSC)がファンドのルールなどを整備し、認定を受けると環境破壊の修復するとともに投資リターンを確保すべくデザインしている。

 

 ガンジーは英国王室属領。外交や国防は英政府に委任しているが、独自の議会と政府を持ち、高度の自治権を有している。タックスヘイブンあるいはオフショア金融センターとして知られ、外国企業がSPC等を多数登録している。GFSCは今回のグリーンファンドの立ち上げで、国際的な投資家がグリーン投資にアクセスしやすい信頼性のあるプラットフォームを提供することを目指すとしている。

 

 グリーンファンドは欧米市場の一部で組成されている。だが、統一ルールがないほか、金融当局による扱いも定まっていない。今回、GFSCは「ガンジー・グリーンファンド・ルール」を制定、ファンドの投資対象事業を選別する厳格なクライテリアを設定、主に機関投資家を対象として、ESG投資に適したグリーンファンドを提供することを目指す。地球環境への負荷の低減だけでなく、プラスの純ポジティブ効果を引き起こすことを目的としている。

 

Guernsey1キャプチャ

 

  ガンジー・グリーンファンドの対象は、登録型、認定型、あるいはオープンエンド、クローズエンドのあらゆる形態のファンドに共通する適格クライテリアへの適合が前提となる。GFSCが各ファンドの適合性を評価、それをウェブサイトで開示するほか、適合ファンドには 「Guernsey Green Fund」のロゴを付与する。

 

 ガンジーファイナンスの戦略担当者のAndy Sloan氏は「ガンジーはすでに、『 Green Global Finance Centres index』において、急成長するグローバルプレイヤーとして、評価されている。今回のグリーンファンドのルール化は、ガンジーをグリーンファイナンスの発展のフロントンランナーに昇格させるだろう」と、強調している。

 

 ファンドの対象となるグリーンプロジェクト等は、再生可能エネルギー事業、省エネ事業のほか、農業、廃棄物、廃水、輸送関連等を含んでいる。設定するグリーン評価のルールは、国際公的金融機関が共同で開発したグリーンクライテリアを活用する。

 

  GFSCの投資監督・政策部門の担当者、Emma Bailey氏は「ガンジーは、英国の金融市場のファンドセンターとしての長年の評価・影響を踏まえ、環境目的に資金を流す投資に参加したい世界中の個人や機関投資家を惹きつける能力を備えた」と指摘している。

 

https://www.gfsc.gg/industry-sectors/investment/guernsey-green-fund