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東芝エネルギーシステムズ、バイオマス発電所からのCO2排出量を分離回収する初の大規模「BECCS」実証実験へ。「ネガティブ・エミッション」を実現へ(RIEF)

2020-11-04 16:50:17

CCS0002キャプチャ

 

 東芝グループの東芝エネルギーシステムズは、バイオマス発電所から排出されるCO2を、大規模装置で分離回収する世界でも初となるBECCS(CO2分離回収貯留技術付きバイオマス発電)の実証設備運転を始めた。1日のCO2排出量の50%相当の500㌧以上を回収する。バイオマス発電はカーボン・ニュートラルとみなされるので、CO2回収分は「ネガティブ・エミッション(排出ではなく吸収)」と評価される。

 

 実証実験は、同じ東芝グループのシグマパワー有明(川崎市)が保有する福岡県のバイオマス発電所で開始した。同発電所は輸入パーム椰子殻(PKS)を主原料としたバイオマス発電所。パーム椰子は成長過程にCO2を吸収しているとの評価のため、PKSを燃料化してもカーボン・ニュートラルと評価される。

 

 同社は、2009年9月から同発電所内でパイロットプラントを設置し、実証化を目指してきた。パイロットプラントはCO2回収量が一日当たり10㌧程度。同設備を使って、CO2分離回収システムの開発、改良、実証を積み重ねた。その後、2018年2月に、同発電所隣接地に大規模設備を設置し、さらに試運転を重ねてきた。

 これまでの検証の結果、発電所からのCO2排出量の50%以上を分離回収できる見通しとなったことで、本格稼働することになった。同事業は、同社を含む18の企業や機関が共同委託を受けている、環境省の「環境配慮型CCS実証事業」として実施する。

 今後さらに、CO2分離回収技術の技術、性能、コスト、環境影響、発電所との統合運用性等の評価を行っていく、としている。「ネガティブエミッション」分については、吸収クレジットとして販売することが可能になる。

https://www.toshiba-energy.com/info/info2020_1031.htm