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メガソーラー:国内最大級 岡山の塩田跡地が候補地に(毎日)

2011-08-25 20:05:36

メガソーラーの候補地として浮上している錦海塩田跡地=岡山県瀬戸内市で2010年11月5日午前、本社機から幾島健太郎撮影
日本最大の塩田だった岡山県瀬戸内市の錦海(きんかい)塩田跡地(500ヘクタール)が国内最大級のメガソーラー(太陽光発電所)の有力候補地に浮上している。岡山は雨の日数が日本一少なく、太陽光発電の好適地。跡地全域に太陽光パネルを設置すれば、総出力25万キロワットと世界最大になる。通信大手のソフトバンクなど10社以上が地元に建設を打診。再生可能エネルギー固定価格買い取り法が成立すれば、立地の動きは加速しそうだ。【井上元宏】

 

塩田は71年に廃止され、跡地の大半が低湿地で産廃処分場や牧草地しか使い道はなかった。瀬戸内市は塩田跡地のうち産廃処分場跡地80ヘクタールを当面の候補地とし、メガソーラー立地を環境再生のモデルと位置付ける。

 

メガソーラーは出力1000キロワット(1メガワット)以上の大規模な太陽光発電所。1000キロワットで一般家庭300戸分の電力量を賄える。国内では、東京電力が川崎市に建設中(一部は運転)の2万キロワットが最大、世界でも、カナダ・オンタリオ州にある9万7000キロワットが最大だという。

 瀬戸内市が当面の候補地とする80ヘクタールに限っても4万~5万キロワットのメガソーラーが建設可能で、市によると、風力発電国内最大手・ユーラスエナジー社やソフトバンクなど10社以上から立地の打診を受けているという。

 特に35道府県と自然エネルギー協議会を立ち上げ、全国10カ所以上でメガソーラー建設を計画するソフトバンクは同塩田跡地で単独で80ヘクタールを超える用地確保を目指している。孫正義社長は耕作放棄地などに太陽光パネルを設置する「電田」構想を提唱。同塩田跡地を“西日本最有力の候補地”と位置付ける。

 同協議会の会長を務める石井正弘岡山県知事も誘致に積極的だ。所有会社の破産で塩田跡地を取得した瀬戸内市は環境との調和を柱に活用を検討。武久顕也市長は「福島第1原発事故で市民の価値観は自然エネルギー重視に変わっている」と誘致の意義を説明する。

 【ことば】錦海塩田跡地 海水を太陽熱で濃縮して塩を作る国内最大の「流下式塩田」として1958年に海を約2キロの堤防で閉め切って開発、71年に廃止された。産廃処分場以外の大半は湿地で、野鳥の楽園となっている。06年には約300ヘクタールを土砂で埋め立てる計画が持ち上がり、住民や漁業者が反対運動を展開した。昨年、所有会社が破産し、瀬戸内市が2億3000万円で購入した。

メガソーラーの候補地として浮上している錦海塩田跡地=岡山県瀬戸内市で2010年11月5日午前、本社機から幾島健太郎撮影


http://mainichi.jp/select/today/news/20110825k0000e020095000c.html