HOME8.温暖化・気候変動 |猛暑のオーストラリア、最高気温が50℃直前に。南オーストラリア州で49.5℃を記録。州政府は緊急発電所を設置以来、初稼動へ。川では酸欠で魚が大量死、カンガルーもダウン(RIEF) |

猛暑のオーストラリア、最高気温が50℃直前に。南オーストラリア州で49.5℃を記録。州政府は緊急発電所を設置以来、初稼動へ。川では酸欠で魚が大量死、カンガルーもダウン(RIEF)

2019-01-24 23:35:02

Australia2キャプチャ

 

 昨年末から猛暑が続く南半球のオーストラリアでは24日、ついに気温49.5℃が記録された。50℃直前に迫ったのは南オーストラリア州のポートオーガスタで、同州の州都アデレードの市内でも47.4℃を記録した。異常高温で河川では魚が大量死するなどの被害が各地で起きている。

 

 観測史上、オーストラリアでの最高気温は1960年1月に同じ南オーストリア州のウードナダッタ空港で記録された50.7℃。24日のポートオーガスタはわずかに1℃低いだけだ。同地での最高気温は10日前に記録された48.9 ℃だったが、わずか10日で更新された。

 

河川は酸欠状態で、魚の大量死が各地で発生
河川は酸欠状態で、魚の大量死が各地で発生

 

 オーストラリアで年越しで異例の猛暑が連続するのは、豪州大陸の上空を広範囲に覆う高気圧の影響と、太平洋上で発生するエルニーニョ現象により、熱帯海域の海面水温が高温化していることも重なっている。この複合影響で、南オーストラリア州やビクトリア州などを中心に異常高温が続いている。

 

 アデレードでも24日の午後に市内のKent townで47.4℃に達し、各地で40℃後半の温度にまで上昇している。この異常高温で、同州政府は保有する緊急時発電の稼働に初めて踏み切るなど、対応に追われている。電力需要の上昇に備えて、オーストラリアエネルギー市場局(AEMO)は両州の電力事業者に対し、停電対策への対応を緊急指示した。

 

暑さのため人家の軒下に逃げ込んだ野生のカンガルーに、水をかけてやる住民
暑さのため人家の軒下に逃げ込んだ野生のカンガルーに、水をかけてやる住民

 

  また48℃を記録したニュー・サウス・ウェールズ州のMenindeeの街のダーリング川では、魚の大量死が相次いでいる。川の表面部分の温度と、2~3m下部の温度差が拡大、水中の酸素不足が急速に進み、水中の酸素が急速に欠乏したためという。魚の大量死は年明け以降、各地で散見されている。

 

 魚だけではない。草原で生息するカンガルーなども、あまりの暑さに木陰では過ごせず、逃げ惑う状況という。自然界の生き物が、自然に対応できないほどの気温上昇が進行する背景には、人類の長年の経済社会活動による温暖化加速の影響が大きいといえる。

https://www.theguardian.com/australia-news/2019/jan/24/murray-darling-fish-kill-extreme-weather-and-low-river-flow-led-to-drop-in-oxygen-levels