HOME8.温暖化・気候変動 |国連の「緑の気候基金(GCF)」への追加拠出、カナダも表明。これで4カ国合計で21億㌦分。トランプ米大統領の拠出凍結額の「穴」を埋める。日本の追加拠出の可否に世界が注目(RIEF) |

国連の「緑の気候基金(GCF)」への追加拠出、カナダも表明。これで4カ国合計で21億㌦分。トランプ米大統領の拠出凍結額の「穴」を埋める。日本の追加拠出の可否に世界が注目(RIEF)

2019-08-27 23:46:28

Canada5キャプチャ

 

   国連の「緑の気候基金(GCF)」の追加拠出資金要請に対して、英国が現行の拠出額の倍増を表明したことに続いて、カナダも同様に3億カナダ㌦(2億2580万㌦)の追加出資を明らかにした。これで、追加拠出を明言した国は4カ国になった。現在、実際の拠出額では最大国となっている日本の対応が国際的に注目される。

 

 カナダの当初の拠出額は2億7700万㌦だったことから、追加拠出額はその約8割増となる。英ボリス・ジョンソン首相と同様、ジャスティン・トルドー首相がフランスのジャスティンで開いたG7サミット会合の際に声明を出した。http://rief-jp.org/ct6/93221

 

G7サミットの場で、GCF拠出金増額をそろって表明した英ジョンソン首相とカナダのトルドー首相
G7サミットの場で、GCF拠出金増額を表明したジョンソン英首相とトルドー首相

 

 すでに出資額倍増を宣言しているドイツ、ノルウェーと合わせて、4カ国合計で約21億㌦分の増額となる。GCFの当初の拠出額は合計で103億㌦だったから、約2割分に相当する。またトランプ大統領がGCFへの米国の拠出額を凍結したことで、米国の未拠出額20億㌦分の「穴」が開いていたが、4カ国の追加拠出額は、米国の穴を埋める形となる。

 

 カナダは今週の29~30日にオタワでGCFの二度目のコンサルテーション会合を開く。このため、他の国の追加拠出を促す格好で、自らが拠出を表明したとみられる。フランスや他の欧州諸国の追加拠出も予想されており、GCFの総拠出額は米国の穴を埋めてさらに膨らむ見通しだ。

 

 現時点で、日本は15億㌦の拠出額で最大の出資国となっている。ただ、英国やドイツが追加拠出分を合わせると、いずれも日本の拠出額を上回る。日本が追加拠出の足並みに加わり、最大拠出国の座を維持するか、あるいはトランプ政権を気にして動かないか。安倍政権の気候変動対策への真剣度が試されそうだ。

 

 GCFはすでに当初の拠出額の半分を超える53億㌦強を途上国での気候変動対策事業や、キャパシティビルディング活動に投じている。パリ協定の国別削減公約(NDC)の改定が2020年に迫っており、途上国での温暖化対策事業のさらなる推進が想定されることから、先進各国には、大胆な資金拠出が期待されている。

 

https://www.greenclimate.fund/news/canada-announces-contribution-to-green-climate-fu-1?inheritRedirect=true&redirect=%2Fwhat-we-do%2Fnewsroom%2Fnews-stories