米女優、ジェーン・フォンダさん。「Bafta賞」受賞。だが、グレタさんに触発された抗議行動で逮捕され、「手錠のままのビデオメッセージ」送付。毎週金曜は「抗議の日」と意気軒高（RIEF）
2019-10-28 08:37:30
2度のアカデミー賞受賞等で知られる米女優ジェーンフォンダさんは、先週末、ロサンゼルスで開いた映画界恒例の表彰で特別賞に選ばれた。ただ受賞式には、ご本人は出席せず。代わりに上映されたビデオに、観衆は驚いた。フォンダさんは手錠をはめられながら、「ありがとう。光栄だわ」とメッセージを送ってきたのである。
フォンダさんは、Bafta Los Angelesが毎年選出する映画人への表彰で、「スタンリーキューブリック賞」を贈られた。同賞は、その出演作品が永久に心に残る伝説的な俳優（legendary individuals）に贈られるもので、今回はフォンダさんのほか、ケート・ブランシェット、ジョージ・クルーニー、メリル・ストリープの各氏も選ばれた。
恒例の受賞者のプレゼンテーション。「都合で」出席できないフォンダさんはビデオメッセージがあいさつ。だがビデオで映し出されたのは、警察に捕まっている場面。フォンダさんは、カメラに向かって、手錠をはめられた両手を掲げて、「サンキュー」と気丈なところをみせた。
フォンダさんが逮捕されたのは、ワシントン。実は、彼女は10月に入って、毎週金曜日にワシントンの各地で、トランプ大統領の反温暖化対策やExxonなどの米大石油会社の温暖化無視の経営への抗議行動を仲間たちと展開している。
これまでに3回デモに参加、そのたびに逮捕されているという。抗議行動で許可された範囲を超えて抗議をするため、警戒中の警察官にすぐに捕まえられる。だが、微罪なので釈放され、また次の週に抗議行動に加わるということを繰り返しているという。
81歳になったフォンダさん。若い時からベトナム戦争反対運動に参加するなど、俳優としての活動とともに、政治的活動にも積極的に取り組んできたことで知られる。今回の抗議行動は、スウェーデンの16歳の環境活動家のグレタ・ツゥーンベリーさんの行動に刺激を受けてのことという。
16歳の少女が各国の政府に抗議をしているのに、81歳の私が黙っていられるわけはない、というわけのようだ。というのは、フォンダさんは、環境活動家としてはグレタさんの先輩でもある。
民主党支持者だが、2015年にはオバマ大統領が北極圏での海底掘削開発を認めた際、反発声明を出した。また、2017年にはカナダのトルドー首相の石油開発擁護の政策に、環境NGOのグリーンピースと共に抗議を行うなど、彼女にはタブーはないようだ。
毎週、抗議行動で逮捕されるのは、グレタさんの影響でもある。グレタさんが毎週金曜日に「温暖化対策を求める登校拒否（School Strike）」を展開していることを見習って、毎週金曜日に抗議行動を展開することにしているため、という。
またグレタさんが多くの若者と連帯して活動の輪を広げているように、フォンダさんも、古い環境活動家たちや俳優仲間にも呼び掛けて、「金曜日の抗議行動」を広げていこうとしている。
実際に、10月18日の抗議行動では、人気テレビ番組「Grace and Frankie c」で共演した俳優でプロデューサーでもあるSam Waterston氏が、25日は、同じく俳優でプロデューサーのTed Danson氏が、それぞれ、フォンダさんと一緒に抗議行動に参加し、逮捕されている。抗議の輪がハリウッドに、世界の映画界に広がれ、という意気込みのようだ。
フォンダさんは、名優の故ヘンリー・フォンダさんの娘で、弟のピーター・フォンドさんも俳優の俳優一家として知られてきた。ピーターさんは今年8月に亡くなった。ジェーンはますます意気軒高ーー。
http://www.bafta.org/los-angeles
https://en.wikipedia.org/wiki/Jane_Fonda#p-search
https://www.theguardian.com/film/2019/oct/26/jane-fonda-accepts-bafta-during-climate-arrest
Research Institute for Environmental Finance