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温暖化対策会議でフィリピン政府代表が 温暖化対策の進展を訴えてハンストへ (CNN)

2013-11-13 13:56:24

フィリピン政府代表のナデレブ・サニョ氏
フィリピン政府代表のナデレブ・サニョ氏
フィリピン政府代表のナデレブ・サニョ氏


(CNN) 台風30号(ハイエン)で壊滅的な被害が出たフィリピンの政府代表が12日、ポーランドの首都ワルシャワで開かれている第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)で、地球温暖化対策の具体的な進展を訴えてハンガーストライキに入った。

フィリピン政府代表のナデレブ・サニョ氏は「本国で食料を求めて苦しんでいる人たちとの連帯」のため、ハンストに入ると宣言。同氏自身の兄弟も、「自分の両手を使って犠牲者の遺体を集めている」と語った。

さらに、「我が国は異常気象の結果として大惨事に見舞われた」「この惨事は、今このワルシャワで食い止められる」と演説すると、会場の出席者が総立ちになって拍手を送った。

サニョ氏は台風ハイエンの被害について、「我が国は多大な努力をして台風の襲来に備えたにもかかわらず、その威力はあまりに強大だった。台風に慣れた国にとっても、ハイエンはかつて経験したことのないものだった」と振り返る。

ハンストは12日間の日程で開かれるCOP19の期間中、「有意義な結果が見えてくる」まで続ける意向だ。

サニョ氏はCNNの取材に対し、気候変動の全体像についてはまだ研究が進められている段階だが、フィリピン東部では大幅な海面の上昇が観測されていたと指摘。「科学的な実証を待つことなく行動を起こさなければいけないというのは防災対策の原則だ」「フィリピンだけでなく、気候変動の影響を受ける地域でどれくらい多くの命が失われなければならないのか」と問いかけた。

同氏はCOP19でも、地球温暖化に懐疑的な説を唱える陣営に対し、洪水やハリケーンや火災に見舞われている地域の現実を直視するよう促し、「それでも足りないというのなら、フィリピンで起きた事態を見てほしい」と呼びかけている。

フィリピンは2012年にも台風「ボーファ」でそれまでの同国史上最大規模の被害が出たばかり。ニョ氏は同年にカタールで開かれた締約国会議でも、その実態を指摘していた。

「それから1年もたたないうちに、さらに大きな台風が来るとは想像できなかった」とサニョ氏。自分はフィリピンの代表団だけでなく、「台風で命を落とし、もう自分では発言できなくなってしまった数えきれない人たち」を代弁していると訴えた。

 

http://www.cnn.co.jp/world/35039841.html