資料:グレタ・ツゥーンベリさんの国連気候行動サミットでの演説(2019年9月23日)
2019-09-24 21:45:57
私が伝えたいことは、私たちはあなた方を見ているということです。そもそも、すべてが間違っているのです。私はここにいるべきではありません。私は海の反対側で、学校に通っているべきなのです。
それなのに、あなた方大人は、私たち若者に希望を見いだそうと集まってきたのですか。よく、そんなことができますね。あなた方は、その空っぽのことばで私の夢、そして子ども時代を奪いました。
それでも、私は、まだ恵まれているほうです。多くの人々が苦しんでいます。多くの人々が死にかけています。生態系全体が崩壊しつつあります。私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです。なのに、あなた方が話すことは、お金のことや、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね。
30年以上にわたり、科学ははっきりと事実を示してきました。なのに、あなた方は、こうした事実から目を背け続け、必要な政策も解決策もまだ見当たらないのに、この場所に来て「十分にやっている」と、よくも言えるものですね。
あなた方は、私たちの声に耳を傾けているとし、緊急性は理解している、と言います。しかし、私がどんなに悲しく、怒りを感じるとしても、私はそれを信じたくありません。なぜなら、もし、あなた方が、本当にこの状況を理解しているのに、行動を起こさないのならば、それはあなた方が邪悪な人間ということになるからです。そんなことは信じられません。
十年間で(温室効果ガスの)排出量を半減するというよくある考え方によっても、地球全体の平均気温上昇を1.5℃以下に抑えられる可能性は50%しかありません。それでは人類が制御できない不可逆的な連鎖反応を引き起こす恐れがあるのです。
それでも、あなた方は50%でいい、と思っているかもしれません。でもこの数字は(後戻りできない変化が起こる)転換点のほか、(永久凍土が溶けることなどで温暖化が進む)ほとんどのフィードバック・ループ、有害な大気汚染による温暖化、公平性や気候の正義といった側面を考慮していないのです。
この数字はあなた方が空気中に出した何千億㌧ものCO2を、私たちの世代が、(現時点で)ほとんど存在していない技術で吸収することを当てにしています。だから、50%のリスクは私たちには全く受け入れられません。私たちはその結果と共に生きていかなければならないのですから。
地球の気温上昇を1.5℃に抑える確率を67%にするには、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最善の見立てでは、2018年1月1日時点で世界に残されたCO2排出許容量は4200億㌧でした。現在ではその数字は3500億㌧を下回っています。それなのに、よくも従来通りの取り組みと技術的な解決策で何とかなるなんて装うことができるのでしょうか。現状の排出レベルを続けると、残されたCO2排出許容量は8年半もたたずに使い切ってしまうというのに。
現在、これらの数字に沿って作られた解決策や計画は全くありません。なぜなら、これらの数字はあなた方にとって、都合が悪すぎるからです。そしてあなた方は、それを私たちにはっきりと言えるほど十分には成熟していません。
あなた方は私たちを失望させています。しかし若者たちはあなた方の裏切り行為に気付き始めています。全ての未来世代の目は、あなた方に向けられているのです。もしあなた方が、私たちを裏切る選択をし続けるのであれば、私たちは決して許しません。あなた方をこのまま見逃すわけにはいかないのです。
まさに今、この場所で、私たちは一線を引きます。世界は目を覚ましつつあります。変化が訪れようとしています。あなた方が好むと好まざるとにかかわらず。
• Greta Thunberg is a climate activist
• This is the speech Greta Thunberg delivered to the UN Climate Action summit in New York on Monday