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りそなホールディングス、中堅・中小企業、個人向けの「リテール・トランジションファイナンス目標」として10年間で10兆円の取扱宣言。具体的な分野、基準等は示さず(RIEF)

2021-06-23 16:59:52

risonaキャプチャ

 りそなホールディングスは22日、中堅・中小企業や個人が、気候変動や少子高齢化等に対応するための「リテール・トランジションファイナンス目標」として、2021~2030年度にかけ、累計10兆円の投資を積み上げる目標を掲げた。また同グループのカーボンニュートラル目標として、2030年度までにScopep1~2の排出量を実質ゼロにすると宣言した。

  それによると、3メガバンクに次ぐ「準大手」であり、信託併営のリテール商業銀行グループとしての特徴を踏まえ、自らの果たすべき役割を「リテールを中心とする顧客のサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を金融サービスを通じてサポートし、企業や個人の顧客の取り組みを社会全体の大きな動きに結び付けること」と位置付けた。

 そのうえで、中堅・中小企業および個人顧客が優先的に取り組むテーマとして、「地域」「少子高齢化」「環境」「人権(ダイバーシティ&インクルージョン)」の4分野を提起。これらの分野での顧客企業・個人の意識・行動のトランジションに向けてファイナンスするとしている。

 対象とするリテール・トランジションファイナンスの事例としては、企業向けに、自社ビジネスへの影響の把握、カーボンニュートラル社会への移行やサプライチェーン排除リスクの高まり等を踏まえた自社SGへの対応等をあげ、個人については環境・社会課題に配慮した消費・住生活等をあげている。ただ、具体的な事業分野や、定量的な判定基準等は示していない。

 「累計10兆円」という融資目標も、4分野で平均的に積み上げるのか、重点的な分野があるのか等の説明はなされていない。

 3メガバンクの場合、気候関連ではTCFD提言に沿ったシナリオ分析の採用とその試算結果をストレステストで確認する手順を盛り込んでいる。だが、りそなのプレスリリースを読む限り、そうした手法の採用についての言及はない。

https://www.resona-gr.co.jp/holdings/news/hd_c/download_c/files/20210622_1t.pdf