農林中金、オーストラリアの環境配慮住宅ローンを束ねた「グリーンRMBS(住宅ローン担保証券)」に約530億円投資。日本でも設定してくださいね(RIEF)
2021-06-25 14:01:57
農林中央金庫は25日、オーストラリアの政府系金融機関クリーン・エナジー・ファイナンス・コーポレーション(CEFC)と連携し、同国での環境配慮住宅ローン担保証券(RMBS)に投資すると発表した。農中の投資額は最大6億3750万豪㌦(約530億円)の見通し。組成するRMBSは英非営利団体Climate Bonds Initiative(CBI)の基準に準拠する「グリーンRMBS」となる。
農中とCEFCは、オーストラリアのノンバンク、ファーストマックが提供する住宅ローンのうち、同国の国家住宅エネルギー格付スキーム(NatHERS)に適合する住宅を裏付け資産として、RMBSを組成する。組成額は総額7億5000万㌦。農中は、償還順位が最も高いトリプルA格のシニア部分に投資する。残りの1億850億㌦分はCEFCが保有する。アレンジャーは米JPモルガンの豪州法人が務める。
オーストラリアでは住宅を新築・改築する場合、環境負荷を削減するためNatHERSの格付取得が義務付けられている。今回の対象格付は、7ランク以上とし、住宅の構造について日当たりや、自家発電システムの導入等を評価した。農林中金は豪州での環境配慮型の住宅普及に貢献する形となる。
農中等から資金調達するファーストマックの住宅ローンは、借り手にもグリーン住宅取得のメリットが付与されている。初年度から5年間の借入額150万㌦までの金利は通常より年0.4%低く設定される。建設資金のローンも同様に1.58%の金利優遇を受けることができる。
CEFCのCEOであるIan Learmonth氏は「グリーン住宅ローンはオーストラリアの市民に長期にわたって利益をもたらす。今回の新たなイニシアティブによって、われわれは今回のスキームのせってによってオーストラリア全土で5億8000万㌦以上の新規のグリーン住宅の普及に貢献する。わが国での住宅は平均して50年以上維持されるため、長期にわたって低エネルギーで快適な生活を提供できる」としている。
農林中金は、「国際分散投資を通じた安定的な収益確保に資するとともに、我々の目指すサステナブル経営の理念にも合致する」と説明している。