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三重県の百五銀行、資金使途を再生可能エネルギー向け融資に限定した「グリーン預金」募集へ。法人だけでなく個人も預金可能。最低預入金額1000万円から(RIEF)

2021-11-15 14:14:18

百五銀行キャプチャ

 

  三重県の百五銀行は、資金使途を再生可能エネルギー事業への貸し出しに限った「グリーン預金」の取扱いを開始した。預金金利は通常の大口定期預金と同率だが、資金使途が再エネ事業に特化することから、顧客・預金者の再エネ支援需要を満たすと判断している。募集額は30億円で、12月1日~24日に限定的に取り扱う。法人向けの「グリーン預金」は三井住友銀行が今春に売り出している。

 

 同行は今回のグリーン預金を、全行あげて取り組んでいる国連の持続可能な開発目標(SDGs)活動の一環として位置づけている。募集対象は個人、法人どちらでも可能だが、最低預入金額は1000万円に設定している。預入期間は6カ月以上、1年以内。

 

 預金を原資として融資する対象事業は太陽光、風力、水力の各発電事業向けとしている。具体的な充当事業は明記していない。募集金額は全体で30億円とし、募集金額に達した段階で受付を終了する。預金の「グリーン性」については格付投資情報センター(R&I)がセカンドオピニオンを付与した。

 

 グリーン預金はわが国では、今年3月に三井住友銀行が法人向けに募集する商品を開発している。同行の場合、預金はドル建てで国内外の企業や機関投資家から募り、太陽光発電や風力発電の再エネ事業のほか、グリーンビルディング等のグリーン事業に融資する内容。金利水準は通常の定期預金と変わらない。

 

 海外の金融機関ではグリーン預金は普及しているが、日本では金融庁がこれまで貸出先を限定した預金の取り扱いは「導入預金」と類似するリスクがあるとして認めてこなかった経緯がある。導入預金とは、預金者が上乗せ金利等の「特別の金銭上の利益」を得る目的で銀行に預金し、その銀行に対して、指定する特定の第三者への融資を約束させる行為をいう。https://rief-jp.org/ct1/112458

 

 導入預金の懸念を払しょくするため、預金者と借入者を分離し、融資先事業の選定は、預金者の指示に基づくのではなく、銀行が選定する仕組みとすることで対応した。百五銀行の場合も融資事業は同行が選定し、調達資金の管理、レポーティング等はICMAのグリーンボンド原則や、グリーンローン原則との整合性をとる。

https://www.hyakugo.co.jp/news/pdf/20211112_02.pdf