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みずほ銀行、中堅・中小企業等のサプライチェーン全体のサステナビリティ・パフォーマンス改善を調達金利に連動させた「サステナブルサプライチェーンファイナンス(SSCF)」開発(RIEF)

2022-05-09 22:03:51

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 みずほ銀行は9日、サプライチェーン全体でのCO2削減等を推進するため、サプライ ヤーのサステナビリティ・パフォーマンスを調達金利に連動させた「サステナブルサプライチェーンファイナンス(SSCF)」を開発した。中堅・中小企業の環境・社会課題取り組みを、フランスのESG専門機関による5段階評価で分類、評価の高いサプライヤーに対しては優遇金利での資金供給を行う。みずほ銀行は、SSCFの提供を通じて、大企業、中堅・中小企業等の環境・社会課題への取り組みを強化し、安定的で持続可能なサプライチェーンの構築を促したいとしている。

 

 同行は、サプライチェーンのサステナビリティ改善を資金調達面から支援する金融商品の開発は「邦銀として初めて」と位置付けている。サプライヤーとなる中堅・中小企業のサステナビリティ評価には、フランスの専門評価会社エコバディス(EcoVadis)が提供する5分類評価を活用する。

 

 同分類は、CSR専門家による評価や、多角的なステークホルダー評価等の7つの原則とともに、国連グローバル・コンパ クト10 原則、国際労働機関(ILO)協定、グローバル・レポーティング・イニシア ティブ(GRI)、ISO26000国連ビジネスと人権に関する指導原則(ラギー・フレームワーク)等の国際的な規格に基づいて、対象となる中堅・中小企業を評価。その評点に応じて、「プラチナ」「ゴールド」など5段階の区分を付与する。

 

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 それらの評価を踏まえて、みずほ銀行が適正と認めるサプライヤー評価を用い、同行がグローバルに運営・管理するサプラ イチェーンプラットフォームで、サプライヤーへのファイナンス(運転資金)を提供する。評価の度合いに応じて、優遇金利を付与する。SSCFのフレームワーク全体については、ICMAが公表しているサステナビリティ・リンク・ローン原則(SLBP)への適合判断を格付投資情報センター(R&I)から得ている。

 

 企業のサステナビリティ評価については、大企業の場合、自社の対応だけでなく、サプライチェーン全体での評価が問われる傾向が強まっている。ネットゼロに向けたCO2排出量の削減では、Scope1(製造等からの直接排出量)、Scope2(光熱費等からの間接排出量)に加えて、Scope3(サプライチェーン等からの排出量)の削減が問われている。

 

 社会課題でも、サプライチェーンでの労働条件や人権尊重等が取引先の大企業のESG評価においても重要なウエイトを持って評価される。こうした背景から、みずほ銀は「サステナビリティに関する潮流が不可逆的に加速する中、特に脱炭素社会への移行はグ ローバルな最重要課題であり、企業単位のみならずサプライチェーン全体での脱炭素化に 向けた取り組みが求められている」としている。

 

 サプライチェーンのサステナビリティ加速は、大企業のみならず、中堅・中小企業にとっては大企業から環境・社会的課題の改善を求められる中で、資金調達の面などの負担が大きくなる傾向もある。SSCFは、中堅・中小企業に対して資金調達面でのインセンティブを提供することで、これらサプライヤー企業のサステナビリティ取り組みを推進し、サプライチェーン全体の脱炭素化等の環境・社会への取り組みを支援する、としている。

https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20220509release_jp.pdf