三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)。社会的価値創造に向けた経費枠として「100億円」設定。「サステナビリティ投資枠」も倍増させ「社会的価値創造枠」に変更・拡大(RIEF)
2024-05-17 14:41:18

三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は、社会的価値の創造に向けた取組みを加速する活動に力を入れる。17日、同取組み向けの経費枠として年間100億円を設定すると発表した。また現行の「サステナビリティ投資枠」(200 億円)を「社会的価値創造投資枠」に名称変更し、投資枠の上限も 400 億円へと倍増させる。 投資対象の領域については、これまでの脱炭素中心から、「環境」「DE&I・人権」「貧困・格差」「少子高齢化」「日本の再成長」の5課題に拡大する。
SMBCは現在の中期経営計画の基本方針の一つに、社会的価値の創造に向けた取組みを加速することを掲げている。今回のグループベースでの同取組みでの経費枠の設定は、投融資とは別に、継続的に社会的価値創造に経営資源を投入する「社会貢献」活動としての位置付けだ。
「100億円」は、親会社の株主純利益目標1兆600 億円の約 1%に相当する。サステナブルファイナンス等の取組みに基づく収益の一定割合を、顧客の社会課題解決に向けた取組みの支援や、「大学スポーツ応援プログラム」等のほか、従業員の社会貢献活動等の社会的価値の創造に向けた取組みに活用するとしている。
一方、同グループは、顧客企業等を対象として、サステナビリティ関連のソリューションの提供、新たなサービス開発等を進めるため、2022年4月にサステナブルな社会の実現に向けて先進的な技術を持つパートナー企業との関係強化等を目的に、200 億円の「サステナビリティ投資枠」を 設定している。
今回、その投資枠を「社会的価値創造投資枠」に名称変更するとともに、投資規模を400億円に拡大するのは、同グループのサステナビリティ戦略において、グループとしての重要課題(マテリアリティ)を、「環境」、「DE&I・人権」、「貧困・格差」、「少子高齢化」、「日本の再成長」の5分野を示しているためだ。これまでの脱炭素の領域に加え、より幅の広い社会的領域での価値創造を、本業のファイナンス力を通じて推進することを目指す。
SMBCは「本投資枠を活用し、社会的価値の創造に資する顧客との事業共創・ 開発に加え、新たな技術の開発や産業の育成を、リスクテイクを通じて支えていく」とコメントしている。