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三菱UFJ銀行。東京商品取引所の電力先物取引市場に受託取引参加者として参入。大手銀行の先物取引市場への参加は戦後初。取引先企業の電力需給の増大見通しに対応(RIEF)

2024-08-30 20:45:14

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  三菱UFJ銀行は30日、日本取引所グループの東京商品取引所(TOCOM)が提供する電力先物市場での取引業者となるための受託取引参加者資格を取得したと発表した。同時に、顧客基盤を開拓するため、卸電力のオンライン取引所を運営するenechain(エネチェイン)の子会社eClear(イークリア)への出資するとした。三菱UFJは、東京商品取引所の電力先物取引で10社目の取引参加事業者となる。資格取得は9月6日の予定。

 

 三菱UFJはまた先物取引の決済を行う日本証券クリアリング機構の「エネルギー先物等清算資格」の取得も同日に行う。同行はTOCOMの受託取引参加者としては10社目、クリアリング機構の清算資格参加者としては11社目になる。

 

 同行が電力先物市場への参加に合わせて、eClearへ出資(49%)し、持ち分法適用子会社としたのも、内外の顧客企業の電力取引ニーズに対応して、現物から先物までの注文を、受託から清算まで一貫して提供できるようにするためとしている。eClearは卸電力の現物取引におけるカウンターパーティリスク低減のサービスを提供している。同行ではeClearに出資することで、MUFG の信用力を活かしてeClear の取引拡大・機能拡張を行うことを目指すとしている。

 

 電力先物市場には、2019年9月にTCOMが初めて電力先物を試験的に上場して日本初の電力先物取引を開始。その後、2022年4月に本上場して本格運用となっている。これまで日産証券やフィリップ証券などの証券会社等が取引資格を取得した事例はあるが、大手銀行の参加は初めてになる。https://rief-jp.org/ct4/93963

 

 同行は、「エネルギーの安定供給の確保と強靭化」は、政府が掲げる第6次エネルギー基本計画の重要論点。今後、生成 AI の利活用拡大に伴う計算資源の電力消費量増加が予測され、中東情勢の緊迫化 や化石燃料開発への投資減退などにより、電力の量・価格の変動が産業および国民生活に与える 影響が懸念される」と電力市場の重要性を強調している。

 

 今回の電力先物取引への参画については、親会社の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の中期経営計画が掲げる「社会課題の解決(持続可能な社会)」に向けた取り組みとして位置づけている。

 

 同行の取締役専務執行役員・市場部門長の関浩之氏は「MUFG の信用力を活かし、電力先物取引の取引受託・清算受託を実施することにより、電力先物市場の取引量の増加を通じて電力取引市場全体における価格ヘッジ機能の向上に貢献することを展望している」とのコメントを出した。

 

 東京商品取引所の代表取締役社長の石崎隆氏は「商品先物市場への国内大手銀行の受託取引参加者としての参加は戦後初になる。同行は、2019年の日本取引所グループと東京商品取引所の経営統合以来、最初の新たな受託取引参加者でもある。同行の加入が電力先物取引市場等への更なる流動性の拡大や投資者の利便性の向上に繋がるものとして、大きな期待をしている」としている。

 

https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2024/pdf/news-20240830-001_ja.pdf