SBI新生銀行、北海道銀行など3行。北海道電力に、トランジションローン50億円融資。北電はトランジションボンド約250億円発行と合わせ300億円のトランジション資金を確保(RIEF)
2024-10-01 17:20:15
(写真は、借り手の北海道電力本社(札幌市))
SBI新生銀行と北海道銀行、北洋銀行の3行は、北海道電力に対して、同社のCO2排出量が2030年度時点で半減(2013年度比)とする目標を特別業績目標(SPT)とする「トランジション・リンク・ローン(TLL)」を貸し付けた、貸付総額は50億円。資金使途は、特定のプロジェクト向けではなく、目標達成に向けた北電の一般的資金使途として活用できる。北電は別途、脱炭素に向けて総額250億円ほどの資金をトランジションボンド(移行債)で調達することも公表しており、合計300億円のい移行資金を確保したことになる。
今回、3行が北電に融資したTLLも、別途発行するトランジションボンドも、ともに資金使途の制約はない。ただ、北電ではボンドで調達する資金については、泊原子力発電所(北海道泊村)の再稼働に向けて新設する防潮堤工事などの安全対策工事等に受湯する方針を公表している。同資金使途は気候対策ではなく、原発bの安全対策なので、本来はトランジションボンドにはなじまないことはすでに指摘した。https://rief-jp.org/ct4/148920?ctid=72
今回のトランジションローンの場合は、原則通りに、資金使途を明示してはない。SPTとする2030年度のCO2排出量半減の目標が達成できない場合、3行が北電に提示する貸出金利を引き上げる「ステップアップ条項」付きになっている。ただ、き上げの上限金利等は公表していない。貸出3行にとっては、排出削減が実現するまでの間、排出量の多い北電向け融資の積み上げで、融資ポートフォリオに占めるfinanced emissions量が増加するリスクを負うことになる。
北電は「今回のローンは環境目標の達成状況に応じて利率が変動する借入であり、調達した資金はカーボンニュートラルの実現に向けた様々な取り組みに活用していく。ローンを通じて、当社の積極的な脱炭素化移行への取り組みについて、金融機関をはじめとした幅広いステークホルダーの皆さまにより深くご理解いただくとともに、資金調達の多様化・安定化につなげたいと考えている」とコメントしている。
https://www.hepco.co.jp/info/2024/1252636_2023.html
https://www.hepco.co.jp/info/2024/__icsFiles/afieldfile/2024/09/30/240930a.pdf
https://www.hokkaidobank.co.jp/common/dat/2024/0927/17274279392044256848.pdf