三井住友フィナンシャルグループ。国連主導の「ネットゼロ銀行同盟(NZBA)」から正式に離脱。日本の参加金融機関は三菱UFJフィナンシャル・グループなど5行に減る(RIEF)
2025-03-05 13:06:48

(写真は、SMFGグループの三井住友銀行の店舗)
国連主導の「ネットゼロ銀行同盟(NZBA)」は5日、日本の三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)が加盟メンバーから離脱したことを明らかにした。日本を含むアジアの加盟銀行で同同盟から離脱したのはSMFGが初めて。同社は2021年にNZBAに加盟していた。同社に続き、離脱の検討をしていると報じられた野村ホールディングスは同日現在、加盟を継続している。
報道によると、SMFGの国際活動のうち、米国での投融資残高は24年9月末時点で3086億㌦(約46兆円)で、欧州全体(2410億㌦)やアジア・オセアニア(1980億㌦)よりも大きく、米政権の意向が取引に影響することへの懸念が離脱理由の一つだったとみられる。https://rief-jp.org/ct1/154554
ただ、すでに集団離脱したJPモルガンチェース等の米銀は、反ESGキャンペーンを展開している共和党系州当局との取引等が大きく、同取引を停止される懸念等から離脱したとみられる。SMFGがこれら州当局との取引がどれくらいのウエイトなのかは公表されていないほか、米銀のように州当局や連邦下院等からの「圧力」を具体的に受けていたのかどうかは不明だ。
SMFGは2024年に、国際プロジェクトファイナンスでESG評価を推進するための金融機関の自主組織の「エクエーター原則」からも、日本の加盟金融機関として初めて離脱をしている。https://rief-jp.org/ct6/143436?ctid=
現在、SMFGは全国銀行協会の会長行で、4月から三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が会長行を引き継ぐ。MUFGはNZBAのステアリングコミッティのメンバーでもあることから、SMFGに続いてNZBAから離脱すると、NZBAの運営にも影響を与える可能性があるとみられることから、同社の今後の動きが注目されている。
同社は昨年のサステナビリティレポート(英文版)では、「日本・アジアを含む世界の移行を支援。化石燃料への依存度が高いアジア諸国を中心とした脱炭素化は、パリ協定の達成に不可欠。この事実を踏まえ、われわれはエネルギー転換を支援するためのさまざまな施策を実施している」と述べている。
https://www.smfg.co.jp/english/sustainability/report/pdf/sustainability_report_e_2024.pdf
https://rief-jp.org/ct1/147528?ctid=
https://www.unepfi.org/net-zero-banking/