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農林中央金庫。北海道電力に対してグリーンローン20億円を提供へ。脱炭素電源としての泊原発再稼働の安全性対策と再エネ事業に充当。北電は「原発再稼働」に資金を優先的配分へ(RIEF)

2026-03-02 23:49:57

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写真は、北海道電力の本社=札幌。Wikipediaより引用)

 

 農林中央金庫は、北海道電力に対して、総額20億円のグリーンローンを提供した。同ローンの資金使途先は、北電のグリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワークに基づき、脱炭素電源として、原子力発電と再生可能エネルギー事業をあげている。特に原発については、泊原発の再稼働に伴う安全性関連対策等が想定されている。北電では、「泊発電所の全基再稼働後は、経年化した火力発電所の廃止による化石電源の減少等で、発電電力量に占める非化石電源の比率が2013年度の10%台から80~90%程度に上昇する」している。

 北電のグリーン/トランジションフレームワークは、第三者意見として、ノルウェー系のDNVビジネスアシュアランスジャパンがセカンドオピニオン(SPO)を付与している。

 北電は同フレームワークにおいて、カーボンニュートラルの実現の主要手段として、脱炭素電源の原発と再エネを最大限活用するとし、 「このうち、特に重要となるのが脱炭素のベースロード電源である泊発電所の再稼働」と位置付けている。

 原発については「資源が乏しくエネルギー自給率の低いわが国においては、安全確保を大前提としたうえで、エネルギーの安定供給、経済性、環境保全を同時に達成する『S+3E』の視点から、燃料供給の安定性、長期的な価格安定性を有するほか、発電時にCO2を出さない原子力発電を最大限活用していくことが不可欠」と強調、今回のファイナスも泊原発の再稼働のための安全性関連の資金使途に重点を置くとしている。

 原発と並列する形で示した「再エネ」については、「天候の変化に伴う急な出力変動や長期間発電しない可能性がある」と、課題を示し、その「変動性」の課題を克服するために、「電力の安定供給のためには火力発電等の調整力も欠かせない」としている。加えて、火力発電については、移行期の化石燃料による火力発電の活用、さらに将来的な火力発電の脱炭素化を目指して、脱炭素燃料(水素・アンモニア等)への転換やCCUS導入等に向けた検討を進める、としている。重点は再エネよりも、移行期の化石燃料火力の活用にあるようだ。

 一方で、原発の最大の課題とされる使用済核燃料の処分問題については、一切言及していない。北電は、再エネの課題と原発の課題のどちらが、環境および社会に及ぼす影響が大きいと考えているのだろうか。原発の課題に言及しなければ、その課題の重さは軽くなり、「グリーン性」が高まるとでも思っているだろうか、といった疑問が生じる。

 農林中金の北電向けのグリーンローンについては、融資額は公表されているが、融資金利、融資期間等は開示されていない。農林中金は、2024年12月には、同様に北電に対して、トランジション・リンク・ローン(TLL)契約の締結でも20億円を融資している。TLLの重要業績指標(KPI)は「グループ発電部門からのCO2排出量」とし、その達成目標であるサステナビリティパフォーマンスターゲット(SPT)は「2030 年度に50%以上削減」としている。

 同金庫は、2021年度から2030年度までのグリーンローンを含めたサステナブル・ファイナンスの新規実行額10兆円を目標に掲げており、2025年3月末時点で、投融資額で約8.6兆円、グリーンボンド、グリーン預金の調達額0.4兆円、合計約9.0兆円となっており、目標額はほぼ達成の見通しとなっている。このうち、グリーンローンやサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)などは約1.3兆円になっている。

                            (藤井良広)

https://www.hepco.co.jp/info/2025/1253017_2068.html

https://www.hepco.co.jp/info/2025/__icsFiles/afieldfile/2026/02/27/second_party_opinion_j_202508.pdf