HOME9.中国&アジア |国際環境NGOのRANが 日本の3メガバンクと初の会合 APPなど熱帯雨林伐採事業への融資の在り方焦点に(FGW) |

国際環境NGOのRANが 日本の3メガバンクと初の会合 APPなど熱帯雨林伐採事業への融資の在り方焦点に(FGW)

2013-02-25 11:59:37

RANimages
RANimages国際環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN:本部サンフランシスコ)の関係者が来日し、日本の3メガバンクと非公式の協議を行ったことが分かった。RANはアジア・パルプ&ペーパー社(APP)などによるインドネシアなどでの熱帯雨林伐採事業の拡大を問題視しており、3メガバンクの投融資の抑制を求めたものとみられる。

RANはこれまでも事業会社の操業による環境・社会影響を阻止するため、当該企業への投融資を実施している金融機関に照準を合わせたキャンペーンを展開してきたことで知られている。有名な事例は、シティバンクを対象として展開した熱帯雨林地帯でのパイプライン建設計画への融資阻止行動で、ハリウッドの俳優を動員した反シティキャンペーンや、シティの支店に抗議の垂れ幕を掲げるなどの直接行動を展開、シティの顧客へアピールすることで投融資中断に追い込んだ。

今回、RANがどのような要求を行ったかは不明だが、アジアの金融市場では、欧州の金融機関が欧州債務危機の影響で事業を縮小しているのとは対照的に、存在感を増している。欧州勢から熱帯雨林伐採事業を含むプロジェクトファイナンス債権を購入するなどの積極的な行動もみられる。特にインドネシアでは森林を伐採して農業・開発事業を展開、その収穫物を日本に輸出するというパターンが増えている。

日本企業をはじめとする外資による地域開発の増大で、伝統的な地元コミュニティの崩壊、自然環境の汚染・劣化等の問題が指摘されている。RANはAPPなどの事業活動に対して、根強く反対行動を展開しており、今回の3メガとの協議は、APPなどのような開発事業への日本の金融機関の基本姿勢を探ることに主眼を置いたものとみられる。