HOME1. 銀行・証券 |みずほ銀、三菱UFJ銀ら5行、秋田の大規模地熱発電事業に総額262億円融資。JOGMECが債務保証(FGW) |

みずほ銀、三菱UFJ銀ら5行、秋田の大規模地熱発電事業に総額262億円融資。JOGMECが債務保証(FGW)

2015-02-04 18:22:40

yuzawa3_sj
おりほ銀行を主幹事とする銀行5行は、秋田県湯沢市に建設される大規模地熱発電所事業に総額262億5900万円を長期融資する。同発電所の発電容量は42メガワットで、年間発電量は一般家庭の7万世帯分で、わが国の地熱発電としては20年ぶりの大規模発電所となる。

協調融資団は、みずほ銀行のほか、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、秋田銀行、北都銀行の5行。融資総額は262億5900万円の長期貸し出しとなる。融資の80%は独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が債務保証をつける。

yuzawa3_sj.jpg

「山葵沢地熱発電所」の建設予想図

地熱発電は、太陽光発電などに比べて長期、多額の設備投資が必要になる。今回建設される地熱発電所は、「山葵沢(わさびさわ)地熱発電所」で、電源開発、三菱マテリアル、三菱瓦斯化学の3社が共同出資した湯沢地熱株式会社が事業主となる。建設は今年4月から4年後の2019年5月までと長期にわたる。

このため、資金計画がネックとなっていたが、今回、銀行団の協調融資と、JOGMECの債務保証という実質的な国の支援によってクリアできることになった。発電した電力は固定価格買取制度(FIT)によって全量買取対象となる。

地熱発電は設備建設に時間と費用が必要だが、いったん建設されると、常時発電が可能で、同発電所の場合も設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は70%標準と見込まれている。発電能力が15MW以上の地熱発電のFITでの買取価格は1kWh当たり26円(税抜き)となっていることから、設備利用率が70%なら年間の売電収入は約67億円になる。

 


yuzawa1_sj.jpg

 国による債務保証のスキーム



銀行団は80%の債務保証がつくことから、リスクを伴う融資額は実質的に52億円余にとどまる。売電価格がFITで保証され、発電後の設備稼働率も高いこと、建設地域ではすでに東北電力の「上の岱(うえのたい)地熱発電所」が1994年から稼働しており、豊富な地熱資源が確認されていることから、融資リスクは小さいとみられている。