HOME1. 銀行・証券 |中国電力、上関原発の工事一時中断(FGW) |

中国電力、上関原発の工事一時中断(FGW)

2011-03-16 16:44:47

中国電力は3月15日、山口県上関町で建設を進めている上関原発の工事の一部(敷地造成工事)を一時中断すると発表した。東北関東大震災によって東京電力福島第一、第二原発で事故が発生したことを重視したもの。計画の見直しに至るかどうかは不明。

 中国電力の発表では、「当面、福島原発事故の事態の推移を見極めてうえで、地元住民に説明することを最優先して取り組む」としたうえで、その間、建設予定地の作業を一時中断する、としている。中国電力が計画している原発は、東電福島と同じく沸騰水型の改良系。全体の重心が低いなど、福島第一原発より耐震性が高いとされる。

 ただ、想定する地震の最大マグニチュードは8.6と、過去の南海大地震の規模で、今回の東北巻頭大震災で実際に観測された9.0を下回る。想定する津波の高さは最大4.6メートルで、これも今回、実際に起きた10メートル級の津波を大きく下回る。ただ、建設予定の原子炉等の施設は、高さ10メートルのところに建設する予定なので、仮に今回の規模の津波がきても、対応できるとしている。

 中国電力へは日本政策投資銀行が1700億円の長期貸出(2010年3月末)をしているほか、日本生命など他の金融機関を合わせて約5000億円の長期借り入れがある。