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東電、06年に福島第一の大津波対策費を試算(各紙) 費用増で対策見送りか?

2012-06-14 07:29:22

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各紙の報道によると、福島第一原発事故を引き起こした東京電力は2006年、同原発が大津波に襲われた場合の被害想定を試算していたことがわかった。試算ではm原子炉の冷却機能を維持するための工事に、1基当たり約20億円必要との計算をはじいていた。ただ、この試算は、社員研修での研究課題と限定され、実際の安全対策には反映されていない。問題意識を持ちながら、机上の研究課題にとどめた点に、同社のリスク管理の甘さがあったといえる。

 この社内研修は、入社3年目の技術系職員向けのもの。東電によると、研修での研究課題は、福島第一原発5号機が、どの程度の津波に耐えられるかを分析するものだった。津波が当時の想定の5・7メートルを超え、13・5~14メートルに達すると、非常用ディーゼル発電機やバッテリーなどの全電源を失い、原子炉を冷却できなくなるという、実際の事故通りの結論となった。こうした事態を防ぐための費用としては、5、6号機周辺を囲む防潮壁(約1・5キロ)を建設する場合に約80億円、原子炉建屋の出入り口を防水仕様にするために約20億円がかかるとの結果を得ていた。実際にはこうした費用の支出はされていない。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120613-OYT1T01006.htm