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仏エネルギー大手の「トタル」、「トタルエネジー(TotalEnergies)」に社名変更。化石燃料だけでなく、再エネ、電力等の多様なエネルギー会社をアピール(RIEF)

2021-05-29 21:33:46

Total005キャプチャ

 

 フランスのエネルギー大手トタル(Total)は、28日の株主総会で、社名をTotalから「TotalEnergies」に変更する決議案に対して、ほぼ全員賛成の形での承認を得た。トタルは、従来の石油・ガス中心のエネルギーから、再生可能エネルギー等を含む幅広いエネルギー企業への「戦略的転換」を意味する、と位置付けている。

 

  世界の石油メジャーの今年の株主総会は、エクソンをはじめとする米石油大手が、NGOやアクティビストファンド等による脱炭素を目指した株主議案の提案が投資家の支持を得て成立するなど、大きな転換点を示した。仏トタルは、米メジャーよりも一足早くエネルギー転換を打ち出してきた欧州系メジャーの一角であり、今回の「リブランド」は、脱炭素化への転換をすでに推進していることを、社名転換で市場にアピールする狙いとみられる。

 

 トタルは第一次大戦後の1924年に、フランスの国策会社、フランス石油会社 (CFP) としてスタート。第二次世界大戦後に販売等の下流部門に「Total」のブランドで進出した。米国市場にも展開し、1985年に社名を「Total CFP」に変更した。その後、合併をするたびに、「Total ○○」と変更し、2003年に「Total」とした。今回の変更はそれ以来で、18年ぶりとなる。

 

Total Energiesが扱うエネルギー資源
Total Energiesが扱うエネルギー資源

 

 TotalEnergiesへのリブランドは、同社がこれまで繰り広げてきた、化石燃料ビジネスでの合従連携の結果としての社名変更とは異なり、エネルギー産業自体の変貌を反映する形だ。エネルギー産業の構造変化を理由とした社名変更では、2018年にノルウェーのスタトイル(Statoil)が、再エネ事業等も含めた総合エネルギー事業を展開するため、エクイノールに変更して以来となる。

 

 
 TotalEnergiesの会長兼CEOのパトリック・プヤンク(Patrick Pouyanné)氏は「われわれはエネルギーを必要とする。エネルギーは進歩の源泉だ。今日、気候変動の影響を受けている地球の持続可能な発展に貢献するため、われわれは新たなエネルギーに向かって歩みだした。われわれの野心は、世界クラスのエネルギートランジション・プレイヤーとなることだ。名称の変更はそのためだ」と宣言した。

 

 TotalEnergiesが扱うエネルギーは、石油・天然ガス、バイオ燃料、グリーンガス、再エネ、電力等と幅広い。世界130カ国で事業展開をし、従業員は世界全体で10万5000人。「2050年ネットゼロ」を目標に掲げている。

https://www.total.com/media/news/press-releases/total-transforming-and-becoming-totalenergies

https://www.total.com/media/news/press-releases/totalenergies-ordinary-and-extraordinary-shareholders-meeting-may-28-2021

https://aka-voda.akamaized.net/total/1543597_6082b6de70622/